マドンナ(Madonna)『Drowned World Tour 2001』
マドンナが2001年にデトロイトで行ったライヴは、その後DVDリリースされたが、当時ナマ中継されたものが元ねただ。アメリカのTV局が動いてのことと思うが、恐らくは全米だけでなく世界中に配信されたに違いない。ここ日本では、Wowowが独占中継していた。
マドンナがツアーをするのは、当時8年ぶりとのこと。ワタシがこの映像以前で観たマドンナのライヴは、ドキュメンタリー映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』で観た映像のみ。そのときは多数のダンサーを駆使した、エンターテイメントに重きを置いたステージだった。今回もその路線は崩しておらず、モヒカンやスキンヘッドのダンサーが次から次へと現れては踊ったり跳ねたり。ライヴの進行はいくつかのパートに分かれていて、その度マドンナは衣装を替えて登場。着物姿やカウガールなど、観る側を飽きさせることがない。ステージは映画『未知との遭遇』の宇宙船を彷彿とさせ、並べられた大小無数のモニターは、u2のZoo TVツアーを思わせる。会場は、屋内ながら数万人は収容するであろうかなりの大きさ。ステージと客席との距離は異様に近い。
が、今回はそうした以前から継続しているエンターテイメント指向に加え、なんとマドンナ自身がギターを弾きながら歌うという、思わぬワザも披露された。ライヴ終了後にWowowのスタジオで司会者とゲストの人が話していたが、8か月間毎日練習して習得したのだそうだ。ショウとして見せて惹きつけるのもプロなら、ミュージシャンとして聴かせるところはしっかり聴かせる場面を作ったのもプロとしての意地なのか。
ワタシが最も好きなマドンナのアルバムは、今なおデビューアルバムである。今でもワタシにとってのマドンナは『Borderline』や『Burning Up』のイメージなのだが、このときのマドンナのライヴは、さすがに最近のアルバムからほとんどの曲がセレクトされている。そうした中、本編ラストはファースト収録の『Holiday』だった。観ていて、なんだか少しだけほっとした。
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