ビジョン・クエスト 青春の賭け(1985年)
レスリングをしている高校生のラウデンは、18歳になったのを機に階級を下げ、全米チャンピオンと戦う決意をする。一方でアーティスト志望の年上女性カーラと知り合い、淡い恋心を抱く。カーラや同僚、ライバル、学校の恩師、父親や祖父などとの交流を通じ、ラウデンは試合に臨む。
友情、恋愛、努力、困難、そして勝利と、典型的な青春ものと言える(強いて言えば、大きな挫折がない)。ラウデンをマシュー・モディンが演じていて、この作品の役のために体を作ってきたと思われ、かなりマッチョな体型になっていて、それが甘いマスクとはいい意味でのミスマッチになっているように見える。ラウデンの父はカール・コックスで、ビバリーヒルズ・コップやロボコップなどにも出ている人だ。カーラをリンダ・フィオレンティーノという人が演じていて、安易にラウデンになびかないことで物語を引き締めているように見える。
タイトルの「ビジョン・クエスト」だが、調べてみると「アメリカ大陸に住むネイティブアメリカンの人たちが、人生の節目に行う儀式」だそうだ。劇中でこのことばが出演者から発せられたかどうかは不明だが、18歳になったラウデンの決意と、夢を追いかけるカーラの姿勢とが、このタイトルを象徴しているのではないだろうか。
この作品は、内容以上にサントラが話題になり、それでタイトルだけは知っていた。ジャーニーの『Only The Young』がテーマ曲のようになっていて、他にもサミー・ヘイガーやベルリンの曲が劇中で流れている(ベルリンは、この翌年に『トップガン』の主題歌を担っている)。そして、このサントラから大ヒットしたのがマドンナの『Crazy For You』だ。当時USAフォー・アフリカの『We Are The World』とチャート上位争いをしていたのだが、なんと『We Are The World』を蹴落として1位になっていて、驚いた記憶がある。そのマドンナは、バーで歌うシンガー役で出演している。
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