デヴィッド・ボウイ(David Bowie)『Glass Spider』
デヴィッド・ボウイ不遇の時期、87年グラス・スパイダー・ツアーのDVDを観た。
前半はとにかくキツい。ステージはツアー名の通りクモを思わせる装飾が成され、男女数人のダンサーが踊りまくり、ボウイもヘッドマイクをつけて歌いながらダンサーたちと絡む。80年代のボウイは映画出演にも積極的だったし、またMTV時代に呼応しようとしたのだろう。しかし、時の流れとはなんとも残酷で、今では安っぽい見せ物にしか感じられない。曲は、『Never Let Me Down』はじめ当時の最近の作品からが中心。
まともになってくるのは、後半になってから。ボウイがバンドメンバーをひとりひとり紹介し、見せるモードから演奏モードへとシフト。ギターはピーター・フランプトンとカーロス・アロマーの2人。ココから、昔の曲の比重が少し増す。『Blue Jean』や『Modern Love』がピーク的な位置づけになっているのはこの時期ならではだが、ココは嬉しい。
アンコールで、なんとチャーリー・セクストンがゲストとして登場。曲もストゥージズ/イギー・ポップの『I Wanna Be Your Dog』、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/ルー・リード『White Light/White Heat』と、ボウイにとっての盟友のカヴァーだ。チャーリーは長髪に黒の革ジャン姿で、かなり力が入っていて時代を感じる。2001年と今年にはボブ・ディランのツアーメンバーとして来日しているが、今の方が渋味があっていい男かも。
個人的に最も興味の薄い時期のボウイだが、ではなぜ買ったのかというと、コストパフォーマンスが高かったからだ。DVDのほかにも、2枚組のライヴCDが同梱されている。しかあし、iTunesに取り込もうとしたところ、何度やってみても1枚目が認識できない。これだから輸入盤は。。。
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