デヴィッド・ボウイ(David Bowie)『best of bowie(DVD)』
2002年の秋に、デヴィッド・ボウイのキャリアを総括するベストアルバム及びDVDがリリースされた。特にDVDについては、これまでの『ビデオコレクション』(PVを中心にした作品集)の全曲を包含しつつ、更に貴重な映像が満載され、2枚組計4時間以上というヴォリュームになっている。
ボウイは早くから映像に関して意識の高いアーティストだったと思うが、それでもこれまでは70'sの映像には乏しかった。このDVDは、テレビ番組出演時の映像を補填することにより、ボウイの映像史がより明らかになってきた。90'sの映像が収録されているのもありがたい。『Hallo Spaceboy』にはペット・ショップ・ボーイズが、『I'm Afraid Of Americans』にはトレント・レズナーが、それぞれ出演している。
このDVDには、8曲に関して「隠しトラック」も収録されている。もちろんパッケージにもメニューにもそのアナウンスはなく、ネットで調べてその存在とアクセス手順を知った。個人的には、こんな凝ったことなどせずに素直に見せてくれればいいのにと思うのだが、ゲームに慣れている人にとっては、謎を解く楽しみにもなっているのかもしれない。この8曲の内容、別テイクや別言語バージョンなどがほとんどなのだが、そんな中で特筆すべきは『Blue Jean』に関する2種類の映像。まずは約20分のミニドラマ風の映像で、ボウイはミュージシャンと、彼にあこがれる女性になんとか気に入られようとするさえない男の2役を演じている。もう1つの映像は、この女性がジュークボックスで『Blue Jean』をセレクトしたとき、MTV用に収録されたカフェでのライヴ映像が出てくるというもの。凝ってますな。
『Blue Jean』は84年のアルバム『Tonight』に収録されていて、シングルカットもされている。この凝りに凝りまくった映像は、想像だがマイケル・ジャクソンの『スリラー』を意識してのことではないだろうか。
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