デヴィッド・ボウイさん(David Bowie)さん死去
祝日だったこともあるが、今日ほどリツイートしまくった日はない。
デヴィッド・ボウイさんが10日に亡くなられた。さる8日に69歳の誕生日を迎えたばかりだった。公式Facebookや公式Twitterによると、18か月の間癌と戦い、最後は家族に看取られながら旅立ったとのことだ。
多くの人の反応は「突然のこと」だったようだが、ワタシはついにこのニュースが流れてしまったという思いの方が強い。2004年に、心臓手術でツアーを途中キャンセル。最後に公の場に姿を見せたのは、2006年のデイヴ・ギルモアの公演にゲスト出演したときではないだろうか。近い人からは新作を作ることはもうないだろうと言われ、もしかしてもうボウイは逝ってしまっていて、その事実が伏せられているだけではないのかと勘ぐっていた。
それだけに、3年前の突然の『The Next Day』リリースには驚かされ、また作品のクオリティの高さには感動した。しかし、相変わらずボウイ本人は姿を見せることはなかった。その後アーケイド・ファイアの『RefleKtor』にゲスト参加したことや、今年の誕生日に合わせて『(Blackstar)』がリリースされることがあっても、上記の勘ぐりを拭い去ることはできなかった。なので、昨日まで生きていてくれたことの方が、ワタシにとっては嬉しかった。
ワタシも、『Let's Dance』『Blue Jean』そして『戦場のメリー・クリスマス』からボウイに入ったクチだ。その後、ボウイの歴史を追ってジギーやトム大佐、ホワイト・デュークなどを知った。個人的なボウイのベストは、1977年発表の『Low』だ。『Warszawa』以降の冷たく荒涼とした世界観に、徹底した音楽至上主義を見た。そしてこの作品は、以降のニューウェイヴやオルタナティヴに絶大な影響を与えたと思っている。レディオヘッドの『Kid A』は、『Low』の系譜にあると思う。
ライヴには、1990年、1996年、2004年の計3度観る機会に恵まれた。90年のときはボウイの作品がほとんどCD化されていないこともあり、ついて行くのがやっとだった。96年は、『Outside』のツアーでありながら後半にこれでもかとボウイ・クラシックがぶち込まれる、驚愕の内容だった。2004年はマイク・ガーソンやアール・スリックなどの盟友を従え、健在ぶりを見せつけた。強いて言えば、1度フジロックのステージで観たかった。
『(Blackstar)』は、ワタシたちへの最後の便りであり、プレゼントだったと思う。これから、じっくり浸ることにする。
RIP,Dabid Bowie.