スター・ウォーズ エピソード7 フォースの覚醒(ネタバレあり)
細かいところでのツッコミどころは満載だ。設定が荒かったり、不自然だったりする。そういうところが気になって仕方がない人にとっては、この作品は駄作と感じても不思議ではない。ただ個人的には、全編を突き抜けるロマンが、そうした雑さを打ち消していると感じる。シリーズ中最高で、かつ2015年に劇場で観た作品の中でベストと言える(観に行ったのは年末)。
エピソード6から30年後。帝国軍の残党は、ファーストオーダーとして銀河系を支配していた。反乱軍の将軍レイアは、助けを求めるべく兄ルーク・スカイウォーカーを探していたが、ファーストオーダーもルークを探していた。
反乱軍パイロットのポーは、砂漠の惑星ジャクーでルークの居場所を指す地図を得るが、カイロ・レン率いるファーストオーダーの攻撃を受け、捕虜になってしまう。ポーは、地図をドロイドのBB-8に託していた。砂漠を転がっていたBB-8は、宇宙船の廃材を売って生活するレイに拾われる。
続編に課せられた使命は、以前の作品との関連を明示しつつ、作品単体としての魅力を発揮させることだ。この作品は、特にエピソード4へのオマージュが満載だ。砂漠の惑星ジャクーはタトゥイーンを彷彿とさせるし、大事な情報をドロイドに託すのもまんまだ。Xウィングやタイファイター、スター・デストロイヤーなどは更に進化し、そしてミレニアム・ファルコンも健在だ。
ハン・ソロとチューバッカが登場したとき、館内からはどよめきが起こった(めったにないことだと思う)。反乱軍を指揮するレイアは、かなり老けはしたが健在ぶりを見せた。唯一、シリーズすべての作品に登場すると言われているC3-POとR2-D2は、終盤に登場する。そして、ルークも・・・。
しかし、今作の主役は「次の世代」たちだ。小さい頃にさらわれて殺しの技術だけを教え込まれたフィンは、それでも善の心は失わず、裏切って反乱軍に加わる。ファーストオーダーをジャクーで家族の帰りを待つことに執着するレイは、中盤で「覚醒」する。序盤で死んだと思われていたポーは実は生きていて、反乱軍のエースパイロットとしてXウィングに乗る。そして、彼らの象徴的な存在は、BB-8かもしれない。
前作までのダース・ベイダーにあたるカイロ・レンは、さまざまな十字架を背負っている。ソロとレイアの息子で、ルークに師事しジェダイの特訓を積んでいたのが、暗黒面に魅せられてしまう。しかし暗黒面と少ない善の心が交錯していて、まだ悪の指導者として完成しきっていない。マスクをあっさりとはずして素顔を見せ、ソロの呼び掛けにもいったんは応じるかのような素振りを見せる(なのに・・・)。
カイロ・レンの出自が明確になっているのに対し、レイの出自は謎に包まれている。レイが覚醒したことや、ラストシーンからして、恐らくは・・・という気はしている。それは、続編『エピソード8』にて明らかになると思うので、楽しみにしている。
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