キング・クリムゾン(King Crimson)『Eyes Wide Open Disc 2』
キング・クリムゾンのライヴDVD、Disc 1に続いてDisc 2も観た。2000年のロンドン公演で、メンバーは2003年と同じ。シェパーズ・ブッシュ・エンパイアというライヴハウスでの収録だ。日本でのクリムゾンのライヴは決まって椅子席のある会場でだが、この会場はスタンディングだ。ただ音楽が音楽なだけに、客は踊ったり騒いだりするでもなく、直立不動で食い入るようにステージを観ている。
カメラはすべてハンディと思われ、アングルのパターンに乏しく、時には手ぶれもある。ステージは終始暗めで、曲によっては音はするがメンバーの姿を捉えるのが難しいときもある。よくも、フリップがこんな映像の公式リリースを許可したなと思ってしまう。
収録状況こそ上記の通りだが、演奏そのもののクオリティは決して低くはない。クリムゾンの歴史を継承しつつ新たな解釈を加えている『Lark's Tongues In Apic, Pt.4』や『FraKctured』などは、嬉しいところ。このときのアルバムタイトル曲『The ConstruKtion Of Light』の官能的なギターと緻密なビートの絡みは、見せ場を作っている。
そして、最後の最後に伝家の宝刀が。デヴィッド・ボウイの『Heroes』で、ヴォーカルこそエイドリアン・ブリューが務めてはいるが、注目はフリップのギターだ。ボウイのこの曲のレコーディングにフリップが参加してギターを弾いたのがそもそもで、でもクリムゾンのライヴで自分たち名義以外の曲を演奏するのは、極めて異例だろう。
シェパーズ・ブッシュ・エンパイアは聞いたことのある会場名だが、場所を調べたら去年ロンドンに旅行したときに宿泊したハマースミスのひとつ隣の駅が最寄りだった。俄然、親近感が沸いてきた(笑)。
関連記事
-
キング・クリムゾン(King Crimson)『The Great Deceiver』
『Frame By Frame(紅伝説)』のリリース翌年の1992年、キング・クリムゾンは『
-
キング・クリムゾン(King Crimson)『Meltdown: King Crimson, Live In Mexico』
ライヴアルバムを連発しているキング・クリムゾンだが、もっかの最新作は昨年10月にリリースされ
-
キング・クリムゾン(King Crimson)『Frame By Frame(紅伝説)』
キング・クリムゾンが、1991年に4枚組のボックスセットをリリースしていた。ワタシは、ほぼ発
-
キング・クリムゾン(King Crimson)『The Elements : Tour Box 2021』
キング・クリムゾンは、現ラインナップになった2014年から、「ツアーボックスシリーズ」という