L change the World(2008年)
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最終更新日:2021/02/20
Death Note
映画『Death Note』のスピンオフ作品。自らの命と引き換えに、キラを倒したL。自身の残された時間はあとわずかとなった中、ウィルス兵器によりタイのある村が壊滅。Lの部下Fが、自分の命を賭けて少年を救い、少年はLに引き取られる。一方、ウィルスを開発した研究所が、環境保護団体の名を借りたテロ組織に襲撃され、ウィルスを開発した教授は抗ウィルス薬を処分した後に自ら命を絶つ。しかし教授は、娘にウィルスに関する手がかりを託していて、彼女もまたLの元にたどり着く。
『Death Note』内のシーンが序盤に結構引用されているほか、Lの側から見た描かれ方もあって興味深い。冒頭はLの命を受けた南空ナオミとレイ・イワマツが事件に取り組む場面だし、Lが自らの名をデスノートに書くシーン、ワタリが死ぬ間際にエレベーターの中で海砂と会話を交わしていたシーン、リュークが見守る中Lがデスノートを焼くシーンなどが描かれている。
Lは基本的に頭脳戦で事件を解決に導くのだが、ワタリもおらず自らに残された時間も限られているということで、自ら外に出てかなりアクティブに活動している。少年と教授の娘を連れて自転車に乗り、クライマックスではハイジャックしてアメリカ逃亡を図るテロ組織を追い、自ら飛行機に乗り込むなど、『Death Note』からは考えられないほど動いている。少年や娘とも最初はなじめずにいたのだが、話が進むに連れてお互いに通じ合うようになる。
ラスト、Lは少年を連れてワイミーズハウスを訪れ、彼に「ニア」と名付ける。これで、もともとオリジナルの今回の話が、間接的にではあるが原作と結びついた。そのニアに、天才でもひとりでは世界を救えないと言っていた。「change the World」というタイトルでありながら、Lひとりが世界を変えたのではなく、L及び周囲の人たちの活躍があって初めて世界は救われる、ということを暗示しているように思える。また、娘に背筋を伸ばせと言われてバキバキ言わせながら背筋を伸ばすなど、Lが自らを開放し、変わったというようにも受け取れる。
少年がおもちゃ好きで角砂糖を並べる辺りは原作のニアを思わせ、またLに甘いものを勧められたのを拒否してコンソメ味のポテトチップスをむさぼっていたのにも、ニヤリとさせられる。敢えて揚げ足を取るならば、舞台が思いっきり日本なので、LをサポートするのはFBIではなく、夜神総一郎や松田など、『Death Note』で共に戦った日本警察の面々である方が自然ではないだろうか。
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