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Death Note The Last Name(2006年)

公開日: : Death Note

Death Note The Last Name(2006年)

出だしは前編をダイジェストで流し、前編の主題歌だったの『Dani California』がバックにかかっている。キラ対策本部への潜入に成功した夜神月は、Lと対峙。一方で第二のデスノートを手にしたアイドル弥海砂は第二のキラとなり、やがて月と接触。海砂と月はLの監視のもと監禁されるが、そこに更なるキラが出現。クライマックスを迎えた後、エンドロールでレッチリの『Snow』が流れる。

舞台の大半はキラ対策本部という地下室つまり密室であり、世の中のこともたまに描きはするが、スケール感に乏しく小さくまとまりすぎているというきらいはある。しかし、そうした粗探しをするのがくだらなく思えるくらい、観る者を引き込んで離さないものがある。まずは「そのノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という、デスノートが持つ性質そのものが特異であること。そしてもうひとつは、月とLという2人の天才の間で繰り広げられる心理戦だ。月は主人公でありながら悪であり、一方のLは善でありながらその素性はヴェールに包まれているという、ねじれた設定がまず面白い。そして2人は、実は性格がとてもよく似ている。

月を藤原竜也、Lを松山ケンイチが演じているのだが、藤原竜也はどういう演技をするのかだいたい想像がついていた。よってこの映画のキーになっているのは、当時はまだ無名に近かった(失礼)松山ケンイチだ。天才ではあるが感情を表には出さず、自ら人間関係を求めようともしない。そんなLが、ラス前で月の父である夜神総一郎に言ったことばがとても印象的だった。その夜神総一郎を演じていたのが鹿賀丈史で、正義感に溢れる人物像もさることながら、後編では行動的にもなっていて、月とLの心理戦を見届ける「凡人」の代表のような立ち位置になっている。

原作やアニメのような2次元の世界とは異なり、また、前後編の2部構成にしたとはいえ、かなり凝縮された設定になっている。登場人物のほとんどは日本人に置き換えられ、内容も原作でいう「L」編に絞られている。しかし、断片的にではあるが「ニア」編の要素も含み、更には原作ではツメが甘かった描き方を補完していて、原作とは異なるオリジナルのラストを迎えている。

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