コードネームU.N.C.L.E.(ネタバレあり)
1960年代。CIAスパイのナポレオン・ソロは、核兵器開発をさせられている博士がローマに現れたことから、博士の娘ギャビーに接触しようとし、KGBスパイであるクリヤキンの妨害を切り抜ける。博士は資産家夫婦に強制され、核兵器はナチス残党に提供されようとしていた。
翌日顔を合わせた2人は当然つかみ合いになるが、上司同士で話がついていて、手を組んで行動することに。クリヤキンはギャビーの婚約者を、ソロは美術収集家を装って、それぞれ夫婦に接触。博士の居所すなわち核兵器の開発場所を探ろうとする。
人気スパイドラマのリメイクだそうで、ガイ・リッチー監督の手腕もあるのか、テンポよく話が進んで観ていて心地いい。当時のファッションや音楽にもこだわったと言われていて、功を奏している。時折画面が分割され、各キャラの行動が同時進行で描かれ、リアリティを帯びて伝わってくる。
コミカルな場面も多い。2人で工場に潜入しボートで脱出する際、先に自力で逃げのびたソロは停まっていたトラックに乗り込むも、助手席にあった食べ物をちゃっかりいただいてしまう。その間クリヤキンはボートで追っ手から逃げ続けているのだが、そのさまがウィンドウ越しに見えるのだ。そしてこのときのBGMは、芸人ヒロシが使っている曲だった。
ソロはヘンリー・カヴィル。『マン・オブ・スティール』でクラーク・ケントを演じ、スーパーマンのイメージを背負い続ける運命にあるが、ここでは不思議とそれが邪魔になっていない。クリヤキンはアーミー・ハマー(『ソーシャル・ネットワーク』『J・エドガー』)。2人の役柄は水と油で、最初はぶつかってばかり。しかし危機に陥ったときはお互い助け合い、つかず離れずの微妙(絶妙か?)な距離感を保っている。
冷戦中に米ソのスパイ組織が手を組むなど、絶対ありえないことだが、だからこそこの作品は痛快なのだ。間に入っているのが英国海軍のウェイヴァリー(ヒュー・グラント)で、実はギャビーも彼に雇われたスパイであることが最後にわかる。この4人は、国際スパイ組織U.N.C.L.E.(United Network Command for Law and Enforcement(法執行のための 連合網司令部))として活動することになる。
元サッカー選手のデヴィッド・ベッカムがカメオ出演していたらしいが、全く気づかなかった。。。
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