椎名林檎@テレ朝ドリームフェス　#drefes

現在ツアー中なので、そのモードをそっくりそのままやるだけだろうという予想は、あっさりと裏切られた。バンドは全員タキシードをまとい、椎名林檎は赤のタイトなドレス姿だった。頭に、大きな王冠を被っていた。

3人のホーン、それに浮雲のトランペットも加わってのイントロで、『マヤカシ優男』でスタート。『真夜中は純潔』を続け、ホーン隊の心地いい音色を活かしている。『神様、仏様』『長く短い祭』とシングル曲を固めてくるのは、フェス仕様だからか。ほとんど曲間をあけず、畳み掛けるように次から次へと曲を連発する。

名越由貴夫と浮雲のツインギターが冴える『群青日和』から、メドレー式に『NIPPON』へ。林檎もギターを持ち、トリプルギターになる。バックドロップになびく日の丸の映像は、日本人としてのアイデンティティとは何なのかと、投げ掛けているようにも思える。浜田省吾の『J.Boy』のように。

コール&レスポンスをすることと、それによって一体感を生もうとしていることを否定はしない。でもそれは、数10年前に先達が築き上げた方法論を転用しているに過ぎない。彼女はクリエイターとして、パフォーマーとして、数歩先を行っている。ワタシたちは、試されている。このクオリティーについて来れるのか、と。