博士の異常な愛情(1964年)
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最終更新日:2021/02/19
スタンリー・キューブリック スタンリー・キューブリック
米ソ冷戦時代。アメリカ軍のリッパー将軍が突如ソ連への核攻撃を指示し、基地にたてこもる。巻き込まれたマンドレイク大佐は、リッパーの話し相手になる。一方事態を知ったアメリカ政府は、ソ連大使から、ソ連が攻撃を受けた場合は全生物を絶滅させる爆弾が作動することを聞き出す。
リッパーはやがて自殺してしまうが、マンドレイクは彼のことばから指令を停止させる暗号を解読し(暗号はリッパーだけが知っていた)、政府に通知。暗号を受信した爆撃機は引き返したが、一機は受信装置が故障していたため、ソ連への爆撃を遂行してしまう。
全編モノクロ。スタンリー・キューブリック監督による、核戦争に際しての政府や軍人のあたふたするさまを皮肉った、ブラックコメディだ。登場する各キャラクターたちはいたって真剣なのだが、言っていることややっていることが暴走するようになり、観る側はにやついたり呆気にとられたりしてしまう。
正式タイトルは、『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』と、異様に長い。そして、「博士の異常な愛情」は「Dr.Strangelove」の直訳なのだが、劇中ではストレンジ博士という人名であり、大きくかけ離れている。そしてこのストレンジ博士、ドイツ移民で大統領の科学顧問という位置付けだが、主人公というほど出番は多くはない。
注目すべきは、ストレンジ博士を演じているピーター・セラーズだ。この人は実は大統領とマンドレイク大佐の計3役をこなしていて、劇中フル回転している。しかも、カツラやヒゲなどで巧みに容姿を変え、よく見ないと同じ人だとはわからない。
ソ連への爆撃が避けられなくなったとわかったとき、大統領はおろおろし、博士は大統領にありえない無茶な進言をする。そんな中、人類滅亡を示唆するようにキノコ雲が次々にあがり、『また会いましょう』という曲の甘いメロディーが流れる。
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