椎名林檎『Ringo Expo 08』
椎名林檎がデビュー10周年公演をさいたまスーパーアリーナで行ったときの映像を観た。確か3日連続で行われていて、ワタシは2日目と3日目に行っていた。映像は、3日目のものだ。
亀田誠治を含むバンドもいるが、斎藤ネコが指揮するオーケストラ演奏の方がベースになっている。オープニングが『ハツコイ娼女』だが、まるで鹿の角のようなかぶりものをして出てきたのに、まず度肝を抜かれる。彼女がステージに立つときは必ず何かを仕掛けてくるのだが、その姿勢は全く揺らぐことがない。
序盤はソロ初期の曲が中心で、ワタシが彼女を知ってのめり込むきっかけになった曲『ここでキスして。』も早々に披露。『宗教』はオーケストラによるインストで、この間スクリーンには彼女のデビューから10年間の歩みが紹介されていた。
林檎は衣装替えして再登場し、まずは『ギブス』。これも初期の名曲だ。終盤になると打ち込み音のビートがどんどん加速し、オーケストラでのイントロによる『闇に降る雨』へとつなぐくだりはほぼアルバムまんまで、絶妙で、圧巻だ。『浴室』では林檎は歌いながら包丁でリンゴを切るというパフォーマンスを(たぶん用意された映像を流していて、その場で実際に切ってはいないと思う)。
オケによるインストの『やっつけ仕事』となり、今度は林檎の生い立ちが紹介。そのナレーションは、なんと彼女の息子だった(当時7歳だったかな)。再び衣装替えした林檎。『茎(STEM)』を経て、実兄椎名純平とのデュエットで『この世の限り』『玉葱のハッピーソング』を。後者はファンク色が濃く、純平のテイストが映える。純平は、ネイティヴアメリカンがかぶるようなものを被っていた。
終盤、『積木遊び』では4人の女性ダンサーが、続く『御祭騒ぎ』では大勢の阿波踊りの人たちが出てきて、もはやカーニバル状態。本編ラストはソイルとのコラボナンバー『カリソメ乙女 Death Jazz Ver.』だった。アンコールは2回あって、彼女が7歳のときに書いたという『みかんのかわ』や『正しい街』などを披露。オーラスは、当時は曲目不明の新曲だったが、後に『三文ゴシップ』に収録される『余興』だった。
ソロでも事変でも、ツアーはホールやライヴハウスが大半だった。彼女の実力と人気からすれば、アリーナクラスでも遜色ないのは明白で、たまアリ進出はむしろ遅すぎた感すらあった。そして、自分が観た公演が記録され、観ながらそのときのことをいろいろと思い出す機会にもなった。つい先日のことのようだが、いつのまにか7年も経っているのだ。
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