トゥルー・ストーリー(1986年)
テキサス州の架空の町バーゼル。カウボーイスタイルに身を包んだ謎の男が案内役になり、町で起こる出来事が繰り広げられる。結婚を夢見ている太った男、ベッドを出ようとせずTVを見ている女、直接会話しない夫婦など、クセのあるキャラクターが登場する。
謎の男を演じているのはトーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンで、この作品で監督デビューも果たしている。劇中ときたま歌のシーンがあってミュージカル風になるが、曲はもちろんトーキング・ヘッズによるものだ。ポップな『Wild Wild Life』は、個人的にヘッズの曲として親しんでいたが、実は映画で使われることの方が先だったかもしれない。
事件などによるガツーンというインパクトはなく、淡々と話が進んでいく。ので、集中して見ないと訳がわからなくなってしまう。20年以上前にも観ているが、そのときは『Stop Making Sense』が頭の中にあったこともあってか、全く理解できなかった。
今回は、話の筋道やキャラクターなど、従来の映画では当然重要視されるであろう要素にとらわれることなく、作品全体に漂うほんわかとした雰囲気がバーンの持ち味なのかなと感じ、受け入れることができた。そして、バーンにとっての表現手段は、ヘッズには留まらなくなっていたのかも、と。
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