ポール・ウェラー(Paul Weller)@Zepp Divercity 2015年10月14日
今なお現役、3年ぶりの来日となるポール・ウェラー。東京会場は、3年前と同じくお台場のZepp Divercityだ。ワタシは、開演時間ぎりぎりに到着。落ち着く間もなく、定刻から5分ほど経ったところで客電が落ちた。
バンドメンバーを従え、ポール・ウェラー登場。だいたい、この人は先頭を切ってステージに出てくる。そして注目の1曲目は、『Come On/Let's Go』だった。終盤にギアを入れる曲として機能していたイメージがあったので、オープニングとは正直意外だった。
続いては、新譜『Saturns Pattern』から3曲を畳み込む。ここ数年の作品では電子音の導入に積極的だが、今回は更に宇宙的なイメージを抱かせる仕上がりになっている。それでいながら、『Long Time』はキャッチー、『White Sky』はヘヴィーなビートを叩きつけてくる。これが、2015年現在のウェラーの音楽の立ち位置だ。
ウェラーが「old song …」と言ってから放ったのは、ジャムの『Boy About Town』『Man In The Corner Shop』だった。正直言って高音では声がきつそうだったが、選曲のセンスのよさへの感動が大きく勝る。更にはスタイル・カウンシルの『My Ever Changing Moods』『Have You Ever Had It Blue』ときた。懐メロにならずリアリティを以て響き、曲が備える魔力は当時も今も有効だ。しかし、前半からサービスしすぎなんじゃ?
バンドは、中央のウェラーを取り囲むように、向かって右にギターのスティーヴ・クラドック、左に長身ベーシストのアンディ・クロフト、後方向かって右にキーボードのアンディ・ルイス、ウェラーの真後ろにドラムのスティーヴ・ピルグリム、そして左後方にパーカッションのベン・ゴーデリアという布陣。3年前と同じだと思われる。
序盤は刻むように曲を連射していたが、中盤は1曲1曲を時間をかけて演奏し、原曲とは異なるアレンジを加えている。終盤がいつのまにかドラムソロになっていたり、自分のバンドではほぼ歌わないであろうスティーヴ・クラドックが嬉々として歌っていたり、と、見所は多く、飽きてこない。SEは恐らくアンディ・ルイスが操っていると思われ、彼が影のコンダクターのように思えた。
そして、だ。1曲だけだが、パーカッションのベンの横に小さな子供がいて、タンバリンを叩いていた。それが、途中からもっとやれもっとやれとベンが子供にけしかけ、あげくはスティックを持たせて子供はなんとドラムプレイをはじめてしまった。長くポール・ウェラーのライヴを観てきたつもりだが、こんなことははじめてだ。この子、ウェラーの息子さんかな?
本編をジャムの『Start!』で締め(終わりなのにスタートかよ/笑)、アンコールは新譜からの2曲。じっくり歌い聴かせる曲で、アンコールとしてはどうなのかなと思っていると、『From The Floorboards Up』の電撃のイントロが!更にはジャムの『In The Crowd』から『The Changingman』ときた。
これで終わっても違和感のない雰囲気だったが、ジャムの『Ghosts』でダブルアンコールをはじめ、メンバー紹介を経て、オーラスはやはりジャムの『Town Called Malice』だった。
セットリスト
Come On/Let's Go
I'm Where I Should Be
Long Time
White Sky
Boy About Town
Man In The Corner Shop
My Ever Changing Moods
Have You Ever Had It Blue
Up in Suze's Room
Saturns Pattern
Going My Way
Into Tomorrow
Above the Clouds
Paperchase
Friday Street
Porcelain Gods
Long Hot Summer
Starlite
Peacock Suit
Start!
Encore:
Pick It Up
These City Streets
From The Floorboards Up
In The Crowd
The Changingman
Encore 2:
Ghosts
Be Happy Children
Town Called Malice
28曲2時間オーバーのステージに、すっかりお腹いっぱいになった。今年のこの人のツアー内容は敢えてシャットアウトしていたのだが、おかげでいろいろと楽しめた。17日の横浜公演にも行く予定で、今度は会場が更に狭くなるので、熱気はもっとすごいことになるはずだ。
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