ザ・ジャム(The Jam)『Setting Sons (Super Deluxe Edition)』
1979年にリリースされたジャムの4枚目のアルバム『Setting Sons』が、去年豪華盤として再発された。いくつかのエディションがあるうちから、ワタシはCD3枚+DVDのスーパーデラックスエディションを入手していた。
Disc 1は、オリジナルアルバムのリマスターにシングルとそのカップリングを付与したもの。ワタシはこのアルバムこそがジャムの絶頂期と思っていて、今回聴き直して改めてその疾走感の心地よさに浸った。シングルはほとんどがアルバム未収録であるため、ある意味アルバムと同じくらいに重要だ。
Disc 2は、デモテイクとBBCライヴの音源で成り立っている。未完成のテイクは、本来ならば世に出すべきではないのかもしれないが、曲が出来上がっていく過程を垣間見ることができるので、ファンにとってはやはりありがたい。聴いていると、スタジオレコーディングのはずなのに、ライヴのような臨場感がバシバシ伝わってくる。
Disc 3は未発表のライヴ音源で、79年12月のブライトンセンターで収録されたもの。イントロダクションのMCは、恐らくマネージャーにしてポール・ウェラーの父ジョンだろう。時期的なこともあり、『Setting Sons』からの曲が前半から中盤までの軸を成し、後半に初期のナンバーやキンクスのカヴァー『David Watts』を配するという構成だ。
Disc 4のDVDは、PVや英国のTV番組トップ・オブ・ザ・ポップス出演時の映像を収録。後者は口パクが大半の様子で、ウェラーは思いっきりマイクから離れて歌う場面もあって、笑ってしまう。ウェラーもそしてベースのブルース・フォクストンもそうだが、楽器を弾きながらとは思えないほどアクションが多く、そしてキマっている。
ブックレットには、バンドのショットだけでなく、当時の新聞記事やチケット、バックステージパスなどの写真などが掲載。また、当時のツアーパンフレットやファンクラブ冊子を復刻させている。手書きコンテンツも少なくない手作り感があるが、それが逆に当時の空気を感じさせてくれる。
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