ザ・ジャム(The Jam)『The Gift (Super Deluxe Edition)』
1982年にリリースされたジャムのラストアルバム『The Gift』の豪華盤が、2012年にリリースされていた。日本盤化はならず、輸入盤のみ。ワタシは、CD3枚+DVD1枚のスーパー・デラックス・エディションを入手していた。
Disc 2は、デモテイク集。ここではブラック色に染まる前の、バンドフォーメーションを軸にしたシンプルなサウンドが多い。冒頭『Skirt(Demo)』は、シングル『Absolute Beginners』の、『Alfie(Demo2)』は『Pity Poor Alfie』の、それぞれ原型と思われる。ラスト『Sloid Bond In Your Heart(Demo)』は、もともとはスタイル・カウンシルの曲として正式リリースされ、92年の『Extras』にてジャムバージョンがあることが発覚。そのデモテイクだ。
Disc 3は未発表のライヴ音源で、82年12月3日のウェンブリーアリーナ公演を収録したもの。時期的には、ラストライヴに程近い公演にあたる。しかしセットリストはキャリア横断のベストヒットではなく、この時点でのバンドの立ち位置を反映している。終盤に差し掛かり、1曲毎に熱狂のヴォリュームが上がっていくさまは、聴いていて圧巻。『Mr.Crean』は場内大合唱だ。ラストがデビューシングルの『In The City』って、カッコよすぎる。
Disc 4のDVDは、VHS時代にリリースされていた『Trans Global Unity Express』、『The Gift』期のPV、オランダのTV番組、英国のTV番組トップ・オブ・ザ・ポップス出演時の映像を収録。黒人のサックスとトランペットがサポートメンバーに入っていて、バンド後期のスタイルが記録されているのが伺える。オランダの映像は生演奏で、ウェラーのギターさばきがはっきりとわかる。
ブックレットには、バンドのショットのみならず、リーダーズポールを独占したNMEの記事も掲載。そして、「THE JAM SPRIT」という、解散を伝える記事の紙面も。ポール・ウェラーがファンクラブ向けに発信したとされる、解散声明文も併せて掲載されている。また、3月から4月にかけて行われたUKツアー「Trans Global Express」のツアーパンフレットも、復刻させている。
タイトルだが、オリジナルは『The Gift』だが、今回は『A Gift…』だ。
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