バニラ・スカイ(2001年)
父の会社を引き継ぎ経営するデヴィッドは、自分の誕生パーティーで親友ブライアンが連れてきたソフィアに一目惚れする。しかし、デヴィッドの恋人を自認するジュリーはソフィアに嫉妬し、デヴィッドを車に乗せて暴走。大事故を起こしてジュリーは死亡し、一命をとりとめたデヴィッドも顔が醜く変形してしまう。
デヴィッドは酒場で酔っぱらい、ソフィアにうまく接することもできず、親友ブライアンを疑ってしまう。路上で寝ていたデヴィッドを起こしたのはソフィーで、容姿を気にしない彼女とデヴィッドは深い関係になるが、デヴィッドには、現実と夢との境目がつかなくなっていた。
留置場でのデヴィッドと精神科医マッケイブとの対話があり、回想として上記のストーリーが描かれる。中盤まではこの行き来がなぜ起こっているのかがわからなかったが、崩れた精神バランスを取り戻せていないデヴィッドにはソフィーがジュリーに見えてしまい、結果ソフィーを殺してしまうところで、やっと結び付く。
マッケイブはデヴィッドに過去を思い出させようとし、デヴィッドはLE社と契約したことを思い出す。LE社は、体を冷凍保存してその間夢を見させるという技術を提供していて、デヴィッドは契約後に自殺していた。つまり途中からは夢の中の出来事になっていたのだ。
かなり凝った構成で、これをリアルタイムで劇場で観ていれば、衝撃を受けたかもしれない。しかし(ビデオで14年後に観ているということもあるが)、実は夢だったというところに行き着くんじゃないかと思っていたので、さほどの衝撃は受けなかった。『トータル・リコール』もあるし、この14年の間に『インセプション』『ミッション:8ミニッツ』のような作品もあったので、慣れてしまったのかも。
デヴィッドはトム・クルーズ、ソフィーはペレロペ・クルス、ジュリーはキャメロン・ディアス、マッケイブはカート・ラッセル。トム・クルーズは、役にぴったり。ペネロペは、もしかしてこの辺りからブレイクしてきたか。
キャメロン・ディアスは、遊び友達扱いだわ序盤で死ぬわとかなり損な役回りで、よく引き受けたなと思ってしまう。肉体派のイメージが強かったカート・ラッセルは、最初誰の役で出ているかわからず、気づくのに時間がかかった(汗)。ここでは理論派・知性派を演じつつ、狂言回しの役も担っている。
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