トム・ヨーク(Thom Yorke Tommorow Modern Boxes)@サマソニ2015
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最終更新日:2020/06/13
Summer Sonic 2015 サマソニ, トム・ヨーク, レディオヘッド
深夜のソニックステージの混み具合、ワタシが体験した限りでは2008年のレディー・ガガが最多だった。しかし今夜のトム・ヨークも、それに匹敵すると思えるくらい激混みだに。バイオの開演前から立ちっぱなしで、既に足の裏やひざの裏に疲労がたまっていた。
客電が落ちるとナイジェル・ゴッドリッチとトム・ヨークがふらっと登場。ナイジェルが正面のPC前に陣取ってデジタルビートを発し、トムは向かって右の卓からマイクをはずし、ビートに合わせて歌い始める。トムの更に向かって右には、VJが陣取っていた。5面のスクリーンは、中央3面にアブストラクトな映像が流れ、両端2面はステージをモノクロで映している。
トムは歌いながらステージ前方に繰り出し、くねくねと妙な踊りをしてみせる。この人だからこそ許される、独特の踊りだ。音のコントロールはナイジェル、歌はトム、と、役割ははっきりと分かれている。
それにしても、だ。レディオヘッドでもイノヴェーターとして前人未到の境地を切り開いているというのに、ソロでもまた別の境地を切り開いている。だいたい卓上のDJプレイやVJプレイなど、コンパクトにまとまってしまって当たり前なのに、トムときたら肉体性の導入に成功し、躍動感に溢れるステージを展開している。誰もがやりそうでいて誰もやらなかったことを、ずばっとやってのけたのだ。
曲はソロ『The Eraser』やアトムス・フォー・ピースの『Amok』からを中心としていた。先立って行われた大阪公演では3曲の新曲が披露されたが、恐らく今回もやっていると思う。『The Eraser』は2006年リリースで、つまり9年も経っている。当時も結構売れた記憶があるのだが、年を重ねる毎にその価値が高まっている気がする。宅録ミュージックは、実は生々しくかつ開放的な音楽にもなりうるということを、他ならぬトム自身が指し示しているからだ。
ライヴは、アンコールの『Default』を以て締め括られた。個人的に足の疲労および眠気と戦いながらのライヴになり、時折意識が薄れることもありはしたが(汗)、やはりすごいモノを観た!という後味が残っている。そして、もしかしたらトムが今行っているアプローチは、来るべきレディオヘッドの新作にもフィードバックされるかもしれない。
F・F・Sは断念し、それでも長い長いサマソニ初日が終了。2日目は遅めにスタートする予定だ。
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