フジロック’15(Fuji Rock Festival)を振り返る(2) – アーティスト編
【ベスト】
フー・ファイターズ
【準ベスト】
ライド
【期待以上によかった】
椎名林檎、ジョニー・マー、ペトロールズ、ロイヤル・ブラッド
【期待通りによかった】
ミューズ、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、スーパー・ファリー・アニマルズ、シアターブルック、モーターヘッド、ベル・アンド・セバスチャン、ハッピー・マンデーズ
【儲けもの】
【可もなく不可もなく】
アクアラング、ネイト・ルイス
【惜しい。もっとできたのでは】
【何もかも超越(笑)】
トッド・ラングレン
去年が個人的に厳しいラインナップだったが、今年は少し持ち直した印象だ。観たアーティスト数は、前夜祭1組、初日7組、2日目8組、3日目5組。3日目が少し少ないが、観た5組はいずれも満足度が高かった。ほんとうはオブ・モンスターズ・アンド・メンも観たかったが、前後を考えるとトイレと食事の時間に充てられるのはそこしかなかった。
初日は、ホワイトステージ~木道亭~フィールド・オブ・ヘヴンと、比較的奥の方を攻めた。シアターブルックが1曲目に『ありったけの愛』を持ってきたところに、佐藤タイジのこのフェスに賭ける執念を汲み取った。浮雲こと長岡のバンドという情報しかなかったペトロールズは、気負わず気持ちよく鳴らしていた。1月の単独公演の評判がよかったロイヤル・ブラッドは、どんだけすごいのかと思って観たら、ほんとうにすごかった。
2日目は、前夜パンフレットを読んでホーリーチャイルドからスタートさせた。リズのシャープなヴォーカルと変幻自在のダンスは、マーメイドのようだった。スーファリはいつもの通りにはじまり、そして最後は着ぐるみになり、観る側を飽きさせなかった。ベルセバは2月のHCWの再現のようだったが、それでもミューズ終わりでダッシュしてよかったと思った。ミューズはライヴは完璧に近かったが、コンスタントに日本に来すぎていて、自分が慣れてしまったところがあった。
3日目は、色々な意味で密度が濃かった。ジョニー・マーはヒーラーズやクリブスやモデスト・マウスなど色々観てきたが、今回が最も気持ちよくやれているように見えた。公で歌うのは去年年末の紅白以来の椎名林檎は、質の高さと攻めの姿勢でライヴをやってのけた。ヘッドライナーのノエルは、大所帯のバンドを従え堂々たるパフォーマンスぶりを見せつけ、こりゃオアシス再結成は当分望めないなあと思った。
準ベストはライド。轟音爆音は、巨大野外に映えた。ツインギター、ツインヴォーカルのスタイルは、彼ら以前でも以降でもまず見当たらず、稀有な存在だったのだと、改めて思い知らされた。アンディ・ベルの居場所は、オアシスではなくココなのではとも思った。
ベストはフー・ファイターズ。ステージを覆っていた幕がデイヴ・グロールの掛け声と共にストンと落ち、メンバー全員が既にスタンバイ。デイヴは特製の台座のような椅子に座っていた。そして、『Everlong』のイントロが。2年前のナイン・インチ・ネイルズに匹敵する、記憶に焼き付くオープニングだった。前半のテンションの高さは尋常ではなかったし、中盤で自らの骨折をネタにする懐の深さにも感服した。パット・スメアとラミ・ジャフェが、同じステージにいるのも嬉しかった。
ある意味裏ベストと言えるのが、トッド・ラングレンだ。黒人DJに女性コスプレダンサー2人を従えEDMで踊りまくるという、驚愕のステージだった。パンフレットに女性ダンサーと一緒の写真があって、それはこういうことだったかと思わされた。代表曲をいくつも持っている人なのに、全くやらず。そもそもバンドセットではなかった。しかし、このあまりにも気持ちのいい裏切りっぷり、突き抜けっぷりは、逆にすごかった。
フジロックに参加された皆さん、おつかれさまでした。
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