マッドマックス 怒りのデス・ロード(ネタバレあり)
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最終更新日:2022/03/16
マッドマックス シャーリーズ・セロン, ディストピア, トム・ハーディ
近未来。砂漠の中をV8インターセプターで走っていたマックスは暴徒に襲われ、彼らのコミュニティへ連行される。そこは、イモータン・ジョーが独裁支配する社会だった。ジョーの軍隊を統率する女大隊長フュリオサは、ジョーの子を産むためだけに囚われている美女5人を密かに連れ出し、脱走を試みる。
気づいたジョーは部隊を引き連れ、マックスは隊員のひとりニュークスの「輸血袋」として、否応なしに巻き込まれていく。やがて部隊から脱してフュリオサたちと合流するマックスだが、最初のうちは仲間になる気などさらさらない。しかし、部隊に追われるうちに運命共同体となる。フュリオサとはべたべたした恋愛関係になることもなく、逃げのびるためのパートナーとしてお互いに支え合う。
前作『マッドマックス サンダードーム』から、実に30年ぶりとなるシリーズ第4作目だ。世界観やマックスの設定はいちおう引き継いではいるが、ワタシは続編とは思わず、リブート作ではないかと思っている。
シリーズ最大の売りはド派手なカーチェイスだが、今回は『2』をしのぎ、やれるところまでやりきったという迫力がある。車両がはじけ飛ぶのは最早当たり前で、車両に長いアームをつけ、その先端につく人間がアームをしならせてトラックに飛び乗るなど、スタントマンの命がけのアクションもすごい。トラックを修理すると言って、これも走行中だし。
キャストは、マックスはメル・ギブソンに代わりトム・ハーディ。『ダークナイト・ライジング』のベインのときほどではないにせよ、鍛え上げた肉体はすごい。ぶっきらぼうそうでいて、優しさを残しているキャラクターもいい。フュリオサはシャーリーズ・セロンで、役のため自ら坊主になったとのこと。女戦士としての強さと、女性5人をいたわり故郷が砂漠化してしまったことを嘆き悲しむ女性らしさの両方を備えている。フュリオサは、実質的な主人公だろう。
いちばんの儲け役は、ニュークスだ。イモータン・ジョーに認められ、ジョーのために価値ある死を遂げることこそが最大の名誉という、狂信的な隊員のひとりだったのが、中盤以降その価値観を逆転させる。このタイプのキャラクターは、シリーズ初だろう。ニコラス・ホルトが演じていて、『ジャックと天空の巨人』での好青年ぶりとはまるで異なる怪演を披露している。
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