ゼロの未来(ネタバレあり)
近未来。プログラマーのコーエンは、エンティティ解析の仕事をしながら、人生の意味を教えてくれる電話がかかってくるのを待ち続けていた。コーエンは会社のマネージメントと直接話す機会を得て、「ゼロの数式」を完成させる仕事をすることを条件に、在宅勤務を許される。
在宅勤務を望んだのは、人生の意味を教えてくれる電話を取りやすいからだった。しかし、難解な「ゼロの数式」をどうしても解くことができず、ストレスがたまってコンピューターを破壊してしまう。そんなとき、上司のジョビー、ジョビーのパーティーで知り合った女性ベインズリー、マネージメントの息子ボブらが、コーエンの自宅に出入りするようになる。
日本公開は今月だが、クレジットを見る限り欧米では2013年に公開されていたようだ。監督はテリー・ギリアム。近未来といいつつ、ハイテクで埋め尽くすことなくレトロさを随所にちりばめているこの世界は、『未来世紀ブラジル』を彷彿とさせる。現実世界とバーチャル世界との交錯のうまさは、『バードマン』以上と思う。
コーエンをクリストフ・ヴァルツ(『ビッグ・アイズ』のウォルター)。役のためか、本作ではスキンヘッドになっている。ジョビーを演じているのは、『ハリー・ポッター』でハリーたちをサポートする教師ルーピン役の人だった。マネージメントはマット・デイモンだったのだが、白髪で顔がアップになることもなく、エンドロールを見るまで気づかなかった。
エンディングに流れるのは、レディオヘッド『Creep』のカヴァー。歌っているのは、カレン・ソウサという女性だった。ゆるーい、ハワイアン風のアレンジになっていて、この映画の世界観には合っている。
賛否はわかれるかもしれない。まず、ギリアムの作品を観たことがない人は、訳がわからないと感じても仕方がない。ギリアムファンでも、過去の焼き直しと思う人がいて不思議ではない。個人的には、ギリアム節が炸裂しまくっていることを歓迎している。
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