隠し砦の三悪人(1958)
戦国時代。山名と秋月の戦いで、秋月の城は陥落。秋月の侍の真壁六郎太は、再興のため、雪姫を伴い同盟国の早川に入ることを思案していた。いったん山名領に入ってから早川を目指すという、百姓の太平と又七のアイディアを買い、身分を隠して2人と共に早川を目指す。
監督黒澤明、主人公六郎太を三船敏郎という、黄金コンビでのテンポのいい時代劇だ。勝ち気な雪姫は上原美佐という人が演じているが、この人はわずか3年で女優業を引退している。太平と又七のデコボココンビは、千秋実に藤原釜足という、こちらも黒澤作品では常連だ。
物語の序盤は、太平と又七の視点から描かれる。2人はグチばかりこぼしケンカもしょっちゅう、でもどこか憎めないキャラクターだ。中盤からは六郎太の活躍が冴え、三船敏郎のカッコよさが際立つ。体型は割とスリムで、馬に乗って敵を追う場面では、両手で刀を構えつまり足だけで馬を操っている。これをスタントなしで自らこなしているというから、すごい。
終盤、雪姫と六郎太は山名に捉えられるが、六郎太とは宿敵にして盟友の山名の田所兵衛の裏切りにより、無事早川にたどり着く。はぐれていた太平と又七を呼び寄せ、ここではじめて身分を明かし、2人に褒美をとらせる。2人は、喜ぶというより目を白黒させていた。
なぜ今この作品を見たのか。それは、この作品は『スター・ウォーズ』の最初に作られたエピソード4に大きな影響を与えているからだ。冒頭とラストはそのもの酷似しているし、姫を助けるのがモチーフになっているのも似ている。そして何より、太平と又七はC3-POとR2-D2のモデルになっているのだ。
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