ジャクソン・ブラウンとカリフォルニアのシンガー・ソングライターたち
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最終更新日:2015/06/28
Jackson Browne フジロック
先月の来日公演も記憶に新しい、ジャクソン・ブラウン。来日にリンクさせるように、特集ムック本が発売されていた。
冒頭は、2004年ロックの殿堂入りの場面。プレゼンターであるブルース・スプリングスティーンのスピーチを引用し、ジャクソンの功績を紹介する。そのすぐ後がディスコグラフィーで、制作の背景や当時のジャクソンの状況などを細かく紹介。単なる曲紹介にとどまらず、一部の曲では歌詞にまで踏み込んでいる。
そしてこの本のハイライトは、5本のインタビュー記事だ。恐らくは、当時の雑誌に発表した記事もあるのだろう。がしかし、2004年来日時に作成する予定だったパンフレットが諸事情により流れてしまい、そのため日の目を見なかったのが、今回晴れて公開されたというインタビューもある。
先月の来日もそうだったが、ジャクソンは決してメディア嫌いというわけではないらしく、ウェブやラジオ、テレビなど、積極的にメディアに登場していた。しかしここにあるインタビューは、より深いところにまで切り込んでいる。ジャクソン自身がそこを聞いてきたか!と感嘆する場面があって、ということは、欧米のメディアは触れなかった領域だったのだろう。
ジャクソン本人だけでなく、バンドメンバーのインタビューもある。そしてタイトルにあるように、いくつかのカリフォルニアのシンガー・ソングライターたちも紹介している。ジョナサン・ウィルソンという、ジャクソンより若いアーティストにも触れていて、去年フジロックに出演したそうだ。調べると、2日目のフィールドオブヘヴンに出ていたようだ。
かなり充実した内容だが、巻末を見ると編者の名前はひとりしかない。五十嵐正という人で、ワタシが知る限りではジャクソンやブルース・スプリングスティーンなどの歌詞対訳を担当している評論家・翻訳家だ。多くの人が入れ替わり立ち替わりで執筆したのではなく、五十嵐氏ひとりというのが、物量を考えると驚きだ。その代わり、内容には一貫性が感じられ、この人が得意とするであろう翻訳の能力が発揮されていると思う。
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