クリスマスの約束2014(1)
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最終更新日:2021/02/13
小田和正
2001年に始まり、毎年クリスマスイヴ頃にTBSで放送される、小田和正を中心とする音楽番組だ。しかし、2014年は放送直後に賛否分かれた。なぜなら、出だしと最後以外は過去の放送のダイジェストだったからだ。
オンタイムで観た人のがっかり感は計り知れないが、ワタシはこの騒動を見かけた後、心の準備ができた状態で録画した番組を観たので、結構楽しめた。今まで欠かさず観ているはずだが、覚えていないところも結構あった。
2001年の第1回は、小田がカヴァーする曲を選び、そのアーティストに手紙を書いて一緒に番組で歌うことを主旨としていた。結果、アーティストの参加はなく、小田ひとりのライヴになった。翌年も小田ひとりだったが、この年は「来てくれなかった」のではなく「そもそも呼ばなかった」のだと、今回の放送で知った。小田はミスチル桜井の手紙を読み上げ、これが翌年への布石になっていた。
第3回の2003年が、最初のピークだ。ゆず、スターダストレビュー根本、財津和夫、そして桜井がステージに姿を見せ、小田と共演した。以降毎年ゲストが出るようになったが、その流れを作ったのは桜井が動いたことだと思う。第1回では確かに他のアーティストをかき集めてやろう的なうさんくささが感じられたが、そんなもやもやをぶち抜いたのが桜井だった。
第2のピークは、2009年だ。出演アーティストが自分の持ち歌を少しずつ歌い繋ぐ、その名も『22分50秒』。各アーティストは、自分の番になったときにフロントに出て歌い、そのとき他のアーティストはコーラスを担った。小田はラストではなく終盤に『Yes-Yes-Yes』を歌い、ラストはいきものがかり吉岡による『帰りたくなったよ』だった。曲を繋ぐ流れもあったとは思うが、小田をラストに据えず若い吉岡にしたところに、小田がプレーヤーからマネージャーにシフトしつつ、次の世代に託す意図があるように感じた。
この構想を実現すべく、小田、根本、スキマスイッチ、いきものがかり水野による激論があった。彼らは翌年以降も出演していて、小田のイメージを実現する忠実な従者のように見えたが、実は違った。小田の顔色を伺うこともなくずばずばと自分の意見を言い、イエスマンにはならなかった。小田の構想は全員によるユニゾンで歌い続けることだったが、意味を見出だせないとばっさり斬られ、メインとコーラスに分ける形になった。つまりは、小田が「折れた」ことになる。
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