ショーシャンクの空に(1994)(1)
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最終更新日:2021/02/13
ショーシャンクの空に
公開当時爆発的なヒットをしたわけでもなく、数々の映画賞を受賞したわけでもない。なのに、年月をかけて名作の栄誉を勝ち取る作品が世の中にはあって、この作品もそうだ(アカデミー賞にはいくつかノミネートされたそうだが、ごっそり『フォレスト・ガンプ』に持っていかれた)。あまりに評判がよすぎて期待値が高くなり、実際観たらそれほどでも、と感じてしまう恐れもあった(ワタシの場合『桐島』がそうだった)。しかし、コレは噂に違わぬ名作だ。
1949年のアメリカ。若くして銀行の副頭取になったアンディは、妻とその不倫相手の男を殺した罪で終身刑となり、ショーシャンク刑務所に収監される。しかし、主任看守の税金対策を助言したことから看守たちに一目置かれ、やがて所長の裏金運用を手伝うようになる。
一方で行政に手紙を書き続けて予算を獲得し、所内に図書館を作る。受刑者たちは教養を身に付ける喜びを覚え、そんな中新たに入所してきたトニーに、アンディは勉強を教える。トニーは、高校卒業の資格を獲得。トニーはアンディに、なぜここにいるか尋ねて冤罪だと知ると、別の刑務所で真犯人と思われる奴を見たと言う。アンディは所長に、再審してもらうよう掛け合うのだが・・・。
物語は、刑務所内で調達係をし、アンディとは特に親しかったレッドのナレーションで進む。刑務所内では看守による暴力や、ほかの囚人からのいじめなどがあり、少し前に読んだ『ビリー・ミリガンと23の棺』で描かれたような、弱者に対する理不尽な暴力が行われている状況を知る。
劇中では10年に1度仮釈放の審査がある。仮釈放を得たいレッドは判で押したような受け答えをするのだが、当然のように却下。仮釈放がなされるのは、更正したかどうかではなく、どれだけ長く刑務所にいたか、になっている。つまり、刑務所生活が長いとその環境に慣れてしまい、社会復帰したところで街は様変わりし、知っている人もいないという孤独感に襲われる。このように精神的に追い込むことこそ、塀の中に続く塀の外での罰なのだと思わされる。
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