黒いオルフェとアーケイド・ファイア(Arcade Fire)
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最終更新日:2021/02/13
Arcade Fire フジロック
ワタシがなぜ今回『黒いオルフェ』を観たのかというと、アーケイド・ファイアが去年リリースしたアルバム『Reflektor』に深く関わっているからだ。
去年、『Reflektor』リリースの際、Youtubeで期間限定ながら全曲試聴をすることができた。そのとき、映像は『黒いオルフェ』を流し、音声にアルバムの曲を当てていた。ウィン・バトラーが好きな映画という補足情報はあったが、そのときはこの作品を適用した意味をワタシはわからずにいた。
次に気になったのは、フジロックでアーケイド・ファイアのパフォーマンスを観たときだ。もちろんそれ以前のアルバムの曲も組み込んだ上で、ショウとしての完成度を高めていたが、骨格を作っていたのは『Reflektor』からの曲だった。
前作『The Suburbs』でキャリアにひと区切りがついたバンドが、ディスコミュージックに挑んだ意欲作、というふれこみが少なくなかったし、ワタシもそう思っていた。しかし、ステージにおいては以前の作品との温度さがほぼなかったばかりか、むしろ次のレベルに牽引しているのではないかとさえ思えるほどだった。
フジロックの後一週間は、アーケイド・ファイアばかり聴いていた。そして、いろいろと調べた。アルバムジャケットは、ロダンによるオルフェウスとエウリュディケだった。そしてアルバムの内容も、このふたり、そして『黒いオルフェ』のオルフェとユーリディスの愛と悲劇に関わっているらしいことがわかった。
フジロックの彼らのライヴで、視覚的に最も目に焼き付いているのは、『Here Come The Night Time』のときの紙吹雪だ。そして続くのが、『It's Never Over (Oh Orpheus)』のときのレジーヌだ。このとき、背後に死神がいて、レジーヌはまるで死神に操られた人形のような動きをしていた。当時これを観たとき、遅まきながら『Reflektor』がコンセプチュアルな作品なのだと気づき、その後上記のようにいろいろ調べた。そして今回『黒いオルフェ』でユーリディスにつきまとう死神を観たときに、両者がつながった。
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