キング・オールスターズ(The King All Stars)@EX Theater
クレイジーケンバンド終了後、約20分のセットチェンジを経て、再び場内が暗転。バンドメンバーがゆっくりと登場してそれぞれ持ち場につき、最後に姿を見せたのが加山雄三だ。先ほどはジャケット姿で飛び入りしていたが、今回は黒いシャツ姿になっている。
フジのときは、加山のエネルギーとパワーに圧倒されっぱなしだったので、今回はバンドメンバーをじっくり見るところから始めた。存じ上げなかった人の経歴も、調べておいた。
セットリストは、フジロックのときとほぼ同じ。曲により、モンゴル800のキヨサクが出てきて加山とのツインヴォーカルになった。ただ今回は、中盤でスチャダラパーの3人も登場。シンコがターンテーブルで、そしてボーズとアニがラッパーとして場内を煽る。このときだけは、キングオールスターズというよりほぼスチャダラだった(笑)。今までスケジュールが合わず、ライヴでの共演が実現したのはこの日がはじめてとか。
加山のキャラクターと声と存在感の大きさが前面に出て、それを支えるのが凄腕バンドだ。どうやら、タイジと武藤がバンドの中心かつ加山の従者的存在で、他のメンバーは買われた技量を発揮しているという感じ。ただ、個人的にはウエノのプレイに凄みを感じた。
ミッシェル解散後のウエノは、請われればどこへでも行く傭兵のように見えていて、それ以上でもそれ以下でもないところにいた。しかしここでのウエノは、まず大きく見え、オーラが漂っていた。音もラウドで、バンドのバランスをキープするというより、自分を出していた。観ていて、ゾクゾクしてきた。この人の中に、当然だがまだ燃えるものがあるのだと思わされた。
アンコールはウクレレセットとなり、加山とキヨサクがウクレレとヴォーカル、古市と名越がギターでバックを固めるという編成に。そして、加山の呼び掛けに応えて横山剣が姿を見せ、トリプルヴォーカルとなった。ラストは加山自らがキーボードを弾く『海、その愛』から武藤作曲の新曲へ。終了後、スチャダラやクレイジーケンバンドら全員がステージに横一列に並んで礼をした。
バンドは、最年長が加山で77歳、最年少が山本で29歳だそうだ。しかし、加山は若い。思うに、人は挑戦を続けているうちは若く、美しい。そして挑戦をやめたときに、人は老いるのだ。なんだか、アントニオ猪木のメッセージみたいだ(笑)。
この日の公演、カメラが入っていた。来週末には武道館公演も控えているとのことなので、そのうちツアーDVDがリリースされるか、あるいは劇場用映画として公開されるかもしれない。
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