*

ロード(Lorde)@フジロック’14 #fujirock

公開日: : 最終更新日:2015/06/28 Fuji Rock Festival'14

若干17歳。新人にしてグラミー受賞。ニュージーランドの新星。歌姫。果たしてその実体は・・・。

彼女は、本物だった。

白い衣装で登場したその瞬間、場内の空気が変わった。ドラムとプログラミングの2人というシンプルな編成で、ステージはスペースが豊富だ。しかしこれは、彼女がパフォーマーとして自由に動き回るのに必要だった。

存在感だけでなく、全身を使った表現力も多彩だ。上体を大きく振り、長い髪を振り乱し、しかし声が上ずることもかすれることもなく、パワフルで美しい。優れたアーティストとは、ノリノリの曲や演奏をすることでも、拳を振り上げてコールアンドレスポンスすることでもなく、自分のスタイルを持つことだと、ワタシは思う。そして彼女は、既にそれを確立している。

MCをするときの彼女は、とてもチャーミングだ。オーディエンスのリアクションも、異常なまでにいい。もともと夜のレッドマーキーは妙なテンションに包まれることが多いのだが、この凄まじいエネルギーは彼女にも伝わっているはずだ。

そして、ハイライトはもちろん『Royals』だった。場内のヴォルテージも最高潮となったが、驚いたのは歌詞の大合唱が起こったことだ。これには、彼女自身も驚いていたように見えた。大袈裟な言い方かもしれないが、ものすごい瞬間を目の当たりにしているのだと思った。

フジロック18回目のワタシは、レッドマーキーでもかなりのライヴを目撃してきたつもりだ。その後ブレイクするホワイト・ストライプスも、ジェットも、ここではじめて観た。しかし今夜のロードは、2002年のザ・ジックに匹敵する、奇跡的なライヴになったのではないだろうか。

関連記事

Flowers Of Romance image

ヨーコ・オノ(Yoko Ono Plastic Ono Band)@フジロック’14

ビッグネームと言っていいオノ・ヨーコが、なぜにマーキーなのか。その答えは、彼女のパフォーマンスにあっ

記事を読む

Flowers Of Romance image

18回目のフジロック

私的タイムテーブル(fromためてぼ天国) フジロックフェスティバルも、回を重ねて今年は18回目だ

記事を読む

フジロックフェスティバル’14(Fuji Rock Festival)、ステージ割発表

2週サイクルなら先週発表があるはずだったが、華麗にスルーされてしまい(笑)、一週間待たされた

記事を読む

CROSSBEAT Special Edition フジロック&サマーソニック完全ガイド

CROSSBEAT Special Edition フジロック&サマーソニック完全ガイド

8月末に発売された、フジロックとサマーソニック速報の本をネットで購入した。しかし自宅に届いた

記事を読む

Flowers Of Romance image

テンプルズ(Temples)@フジロック’14

セッティングはメンバーたちが自分でやっていて、新人らしいなと思った。しかしライヴパフォーマンスの方は

記事を読む

S