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ミック・テイラー(Mick Taylor)

公開日: : 最終更新日:2024/09/15 トピック

The Rolling Stones『Goats Head Soup』

ローリング・ストーンズ8年ぶりの来日公演は、昨夜で終わった。3公演は過去に比べてかなり少ないが、それでも大きな話題になった。ワタシは、中日に当たる4日の公演を観に行っていた。

正直なところ、今回はこれだという目玉が特にないように思えた。90年は、解散の危機を克服しついに実現した初来日。95年は、アンプラグドブームをストーンズ流に解釈。98年は、ネット投票とセンターステージの導入。2003年は、武道館に横浜アリーナと、ドーム以外の会場に初進出。2006年は、さいたまスーパーアリーナ進出と、演奏しながらBステージに移動。

では、今回は?

2012年の結成50周年ツアーの流れを汲み、ロン・ウッド以外のメンバーは70歳越え、といったところだろうか。確かに、50年トップを走り続けてきたというのはすごいことだし、70歳オーバーにしてドームで2時間のライヴというのは驚異的だった。

いや、もうひとつあった。

ミック・テイラーの帯同だ。

69年から74年まで、いわゆるストーンズ黄金期に在籍し、脱退後はセッションジシャンや自身のソロ活動を地道に続けてきたテイラーが、再び(そして日本でははじめて)ストーンズのステージに立ったのだ。

もちろん情報として知ってはいたし、DVD『Sweet Summer Sun』や去年のグラストンベリーの映像で観てはいた。がしかし、4日の公演で投票曲が『Silver Train』になり、テイラーが姿を見せたとき、言いようのない感動が沸き起こってきた。

ワタシは、99年10月に渋谷のクアトロでテイラーのソロライヴを観たことがある。一生つきまとうであろう元ストーンズの金看板を背負いつつ、ギタリストとしてのテクニックは依然として冴え渡り、ヴォーカルまでこなしていた。自らバンドを出た手前、ストーンズと再び絡むことなどありえないだろうと、思っていた。それが、15年経って覆ったのだ。

テイラーが参加する枠は、キースの1曲、『Midnight Rambler』、そしてオーラスの『Satisfaction』と決まっていた。しかしワタシが行った4日は上述の通り『Silver Train』もあって、得した気分だ。見た目はさすがに年を隠せないが、その技量は、ステージ上の現役感を彩ってあまりあるものだった。

同窓会のノリと思っていたテイラーの起用こそ、実は今回のツアーの目玉だった。仕掛けたストーンズも、受けたテイラーも、どちらもすごい。ストーンズには、まだ切り札のカードがあったのだ。

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