SWITCHインタビュー 荒木飛呂彦×千住明
この4月から、NHKEテレにて土曜夜に『SWITCHインタビュー』という番組が始まった。異なる分野で活躍する2人の達人が、お互いにインタビューし合うというもの。ワタシは、その内容うんぬんよりも椎名林檎が主題歌を手掛けていることで飛びつき録画したが、出演者のセレクトと組み合わせがかなり興味深かった。
第3回目の放送が、漫画家の荒木飛呂彦と作曲家の千住明。共に1960年生まれの同い年で、荒木は『ジョジョの奇妙な冒険』を26年に渡って連載。千住は大河ドラマからCMまで幅広く手掛けている。まずは、荒木の仕事場に千住が出向き、荒木にインタビュー。中高生の頃はマンガを描いているとか応募しているとは周囲に言えなかったといい、千住もバンドをやっていて、お互いに異端だったことを認め合う。
荒木は、漫画を書くときには必ず音楽をかけるそうで、約1万枚の棚からCDを選ぶ。この「選ぶ」のも結構楽しいという感覚、わかる。デスクに積まれていたCDには、ペット・ショップ・ボーイズやゴティエなどを確認することができた。『ジョジョ』のキャラクターやスタンドにはアーティスト名や曲名、アルバム名などが使われているが、今までワタシが観たり読んだりした中では、それを指摘し突っ込む番組や雑誌はなく、物足りなかった。今回、荒木自らが言及したわけだ。
後半は、荒木が千住の仕事場を訪問。マンションの一室と思われるところで、ピアノはもちろんあったが、主な作業はデスクでパソコンを操り楽譜に手書きすることのようだ。大河ドラマ『風林火山』のテーマ曲には別バージョンがあったこと、『砂の器』のTBSリメイク版を手掛けたときは、オリジナルのイメージを損なわずにプラスアルファさせることに成功し、そこで作曲家として次のレベルに行けたとも語っていた。
この番組、第1回はアントニオ猪木と天皇を執刀した心臓外科医、第2回は日産のカルロス・ゴーンと宇宙飛行士の山崎直子。録画しておいた中からワタシが真っ先に観たのは上記の第3回だったが、他の回も十分期待できる。また、椎名林檎の主題歌は、東京事変とも異なり、かつてのソロとも異なるテイスト。一瞬、別の人かと思ってしまった。
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