徐倫、GUCCIで飛ぶ
『SPUR(シュプール)』という雑誌を買った。女性向けのファッションブランドを取扱い、本来ならワタシにはまるで縁のない雑誌のはずなのだが、22日に発売された号はちがった。『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦が、特別に『徐倫、GUCCIで飛ぶ』を描き下ろしていて、それが別冊として入っていたからだ。
ストーリーは、シンプルで風変わりな小話だ。空港で政府関係者2人に荷物検査を迫られた空条徐倫だが、検査を拒否。政府関係者は機密度の高い動物を探していて、状況的に徐倫が隠したとみなす。真偽を確かめるため、2人と、もともと動物を保持していた民間人の3人は、監視カメラで真実を確かめようとする。
徐倫は、ジョジョ第6部「ストーン・オーシャン」の主人公にして空条承太郎の娘である徐倫。そして彼女を取り調べる政府関係者が、第5部「黄金の風」に登場するブチャラティとアバッキオだ。つまり、ジョジョ本編とはストーリー上関連を持たないが、いわゆるスターシステム的な手法を取っている。そして、この短編において徐倫が着ている服は、いずれもGUCCI。さりげなく6着もの服を着こなしている。
『SPUR』では、ほぼ1年前に『岸辺露伴 GUCCIへ行く』という、やはりジョジョとのコラボレートがあった。少年マンガと女性向けファッション雑誌のコラボレートという、意表を突く前代未聞の企画だった。岸辺はジョジョ第4部「ダイヤモンドは傷つかない」に登場するマンガ家で、主人公の東方仗助にも平気で毒を吐き、クセはあるが妙な異彩を放っていた。作中でも、GUCCIの時計をしていたそうだ。
『美術手帖 2012年11月号』ではジョジョのキャラクターがファッション性にも優れていると指摘していて、今回の徐倫・ブチャラティ・アバッキオというキャスティングは、納得だし、かつ夢の共演だ。
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