中沢啓治さん死去
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最終更新日:2021/02/12
追悼
漫画家の中沢啓治さんが、19日に亡くなられていた。死因は肺がんで、73歳だった。中沢さんは広島出身で少年期に被爆。代表作『はだしのゲン』は、中沢さんの実体験をもとにしている。
被爆時に父と姉と弟をいっぺんに失い、身ごもっていた母を連れてなんとか生き延びるも、生まれた赤子は栄養不足で亡くなってしまう。その母も、被爆が原因で亡くなってしまった。原爆投下直後の街の状況は、まさに地獄絵だ。ちょっと前までゲンと話していた人が次の瞬間に死んでいたり、ガラスの破片が顔じゅうに突き刺さっていて、助けを求める人で溢れていたりした。原爆と戦争に対する怒りを凄まじく描いている作品を、ワタシは他に知らない。
ワタシは6年半前に広島に行ったことがあって、原爆ドームや平和記念館などを訪れている。そのときに、少年時代に読んだ『はだしのゲン』が、脳裏によみがえってきた。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。