マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)@Studio Coast Day1
公開日:
:
最終更新日:2023/10/15
Manic Street Preachers デヴィッド・ボウイ, マニックス
『National Treasures』2夜連続ライヴの第1夜だった。
まずは、オープニングアクトというにはあまりにも贅沢な、マニックスと同じウエールズ出身のグリフ・リース。ソロアコースティックセットとのことで、序盤はアコギ弾き語りで歌っていたのだが、やがてレコードをかけたりメトロノームを使ったりといろいろやりだし、と、クセ者ぶりを発揮。
更には、鍵盤が光るピアニカ、ブルースハープ、トーキングモジュレーターと、小道具使いまくりで、観る側を飽きさせない。また、スーファリのときからお約束の「ありがとね」「拍手」といった、日本語が書かれた模造紙を使ってのオーディエンスとのコンタクトもあった。約25分のコンパクトなライヴだったが、クアトロ辺りで、あるいはフジロックの木道亭辺りで、じっくりと観たいものだ。
約25分ほどのセットチェンジを経て、いよいよマニックス。場内が暗転すると、デヴィッド・ボウイの『Speed Of Life』がSEとして流れ、そしてついにバンド登場。『Motorcycle Emptiness』『Your Love Alone Is Not Enough』と、アッパーなナンバーで幸先がいい。
と、ここでワタシは大きな勘違いをしていたことを思い知らされた。しかも、この何ヵ月かずっと。てっきり『National Treasures』2枚組全曲を、曲順もそのままに2夜連続で再現ライヴするものと思い込んでいたのだ。軽いショックを受けたが、程なくして持ち直した。再現ライヴではないということは、次にどの曲が演奏されるか全く予想できないからだ。
メンバーはほぼいつもの定位置で、中央にジェームズ、向かって右にニッキー、ジェームズの真後ろにショーン、向かって左後方にサポートのギターとキーボードという配置。バックドロップには『National Treasures』のジャケットの女性が飾られ、PAにはウエールズの旗が掲げられ、そして両サイドには桜を思わせる木の電飾があった。マニックスにしては、凝ったステージセットだと思う。
セットリストはほんとうにランダムだったが、個人的には『Everlasting』が沁みた。『Tsunami』は、イントロで一瞬はっとしたが、変に過剰反応することなくさらりと演奏したバンドにこそ、共鳴すべきと思う(後で歌詞を確認してみたい)。中盤にジェームズのソロアコースティックのコーナーがあって、日本だけでシングルカットされたという『Further Away』を、切々と歌ってくれた。続くは、サポートを入れず3人だけでの『Suicide Alley』で、コチラも沁みた。
終盤、個人的にはマニックスベスト3に入り続けている『Little Baby Nothing』があって、そしてメンバー紹介。『Motown Junk』で、これがラストかと思いきや、ラストは意外な『If You Tolerate This Your Children Will Be Next』。今日のライヴの締め括りというよりも、明日の夜に繋ぐための選曲だったように思われた。
ふだんのマニックスのライヴであれば、絶対にセットリストから落ちることのない、あの曲やこの曲、その曲が演奏されなかった。ということは、もちろん・・・。明日の夜も楽しみだ。
関連記事
-
マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『Everything Must Go (10th Anniversary Edition)』
マニック・ストリート・プリーチャーズが1996年にリリースしたアルバムが、『Everythi
-
マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『Leaving The 20th Century』
マニック・ストリート・プリーチャーズは、1999年12月31日に、地元ウェールズのカーディフ
-
マニックスのジェームズとニッキー、来日中止に
活動停止中のマニック・ストリート・プリーチャーズだが、ギター&ヴォーカルのジェームス・ディ
-
マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『The Holy Bible (10th Anniversary Edition)』
マニックスは昨年、サードアルバム『The Holy Bible』を全曲演奏するライヴを、開催