栗山千明『CIRCUS Deluxe Edition(DVD付)』
東京事変のラストツアーも、いよいよ今夜と明晩を残すのみ。ネット上に流れているセットリストをもとにプレイリストを作ってみるのだが、『おいしい季節』『青春の瞬き』という見覚えのない曲が披露されていた。調べると、椎名林檎作詞作曲、演奏東京事変で、栗山千明に提供した曲だった。これらを含む、林檎は計4曲を栗山に提供。というわけで、これらがまとめて聴ける栗山の『CIRCUS』というアルバムを入手した。
手にとってびっくり。林檎だけでなく曲提供者の顔ぶれがハンパなく豪華だ。提供しているアーティストを知った上で聴いていると、ニヤニヤしてしまう。出だしの9mmの曲はまんま9mmだし、浅井健一の曲は浅井だし(演奏はPONTIACS)、布袋寅泰が書いた曲は布袋だし、佐藤タイジが書いた曲はやはりシアターブルックだ。そうした中、林檎が書いた曲が最も栗山にしっくりきているように思える。
同梱されているDVDの内容はPV集だ。むむー、どことなく林檎/事変の世界観に近いような(監督が同じなのかな)。『可能性ガール』はステージ上部のスピーカーから新木場スタジオコーストでの撮影とわかり、そして布袋本人もちゃっかり出演している。『コールドフィンガーガール』はショートムービー仕立てになっていて、完成度が高い。『おいしい季節/決定的三分間』のメイキングでは、栗山のリラックスした表情が伺える。ボーナス映像『流星のナミダ』は、アルバム未収録だ。
それにしても、栗山を中心軸に据えた上で、こうしたプロジェクトができてしまうのって、なんだか素敵だ。きっと曲提供者側もこの企画を楽しんでいると思うし、栗山も見事にそれに応えている。ワタシは女優の栗山といったら未だに『バトル・ロワイヤル』の千草役のイメージしかなく、それ以降ほとんど興味を失っていたのだが、ここでの栗山はかなりイケている。
そして、林檎だ。以前ともさかりえに提供した『少女ロボット』を事変のツアーでセルフカヴァーしていたことがあったが、ここでこう来るとは、なんという懐の深さだろう。そして、ワタシは明晩武道館に行ってくる。チケットは立見なものと思い込んでいたのだが、発券したら1階席だった。少しほっとし、そして、事変のラスト(ワタシには今のところ「終わり」感覚は薄いのだが)をしっかり見届けたい。
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