明日はトム・ヴァーレイン（Tom Verlaine）のライヴ

昨夜のマニックスの余韻に浸っていたいところだが、実は27日から12月4日までの8日間で計4回のライヴに行く予定になっていて、その1/4が終わったに過ぎない。そして2回目のライヴは、明日のトム・ヴァーレインだ。

来日が決定し、チケットを入手して以降、作品をこつこつ聴いていた。何度聴いても『Marquee Moon』は名曲だし、中毒のようにリプレイしてしまう。そして今回、『Venus』もそれに加わった。ビートの効いたイントロが流れた瞬間、身体に電流が走ったような衝撃に襲われる。どうしてこの曲は、今のワタシにこんなにも染みるのだろう。こうして、最初のうちはテレヴィジョンのアルバムを中心に聴いていた。なんだかんだ言って、結局はテレヴィジョンの人。その認識から、なかなか抜け出せなかった。

ソロ作品を聴いても、頭の中ではテレヴィジョンとの比較をしてしまっていた。特に初期2枚はテレヴィジョン色がかなり残っていて、テレヴィジョンを継承したかのような仕上がりに思われた。しかし、以降は少しずつパンク色が薄れていき、聴いていてひりひりするような感覚がなくなってきた。その代わりに、エレクトロとアンビエントの要素が強くなってきた。テレヴィジョンとの比較に終始してしまえばこれは退屈な音楽だが、ヴァーレインのアーティストとしての進化、重ねてきた年輪と思えば、深みと味わいを見い出すことができる。アンビエントが結構好きなワタシとしては、この世界観はアリだと思うようになった。

今回の来日、名義はトム・ヴァーレイン・ウィズ・ジミー・リップとなっている。ジミーはリチャード・ロイドに代わる現在のテレヴィジョンのギタリストだそうで、ヴァーレインのソロ『Flash Light』にも参加。更には、88年のミック・ジャガーの来日公演にも帯同している。2人だけでの演奏になるのか、バンド編成なのかがよくわからないが、ライヴを楽しみにしている。