フィリップ・セルウェイ(Philip Selway)@Duo Music Exchange
リリースされたばかりのアルバム『Familial』を聴いた限りでは、非常に地味なライヴになるのではと予想したのだが、いい意味で裏切られた。
まず、開場前に嬉しいハプニングが。あと5分くらいというところで、出入り口から外人数人が出てきた。その先頭にいたのがフィル!近寄って手を差し出し、拒否されるかとも思ったがフィルはしっかりと握手してくれた。その後他の客もフィルに気がつき、握手したり英語で話しかけたり。いい人そうだった。
18時30分過ぎにバックを務めるメンバーのうち3人が登場して少し演奏し、フィルがステージに立ったのは19時15分過ぎ。前方中央に構えてアコギを弾きながら上体を軽く揺らして歌うフィル。その歌声はソフトで親しみやすさを感じさせた。2本のアコギをほぼ1曲毎に交互に使いこなし、MCも結構あった(早口の英語でほとんど聞き取れなかったが)。
バンドはベース、ドラム、女性キーボード2人という編成。女性2人はコーラスのほか、曲によりバイオリンや鉄琴、アコーディオンなどもこなしていたが、中でも目を引いたのはノコギリのギザギザではない側を弓で弾いていたことだ。弓を当てる位置やノコギリをしならせることなどにより、ちゃんと音階をなしていた。音は、テルミンのような電子音に近い感じ。
CDではかすかにしか聴こえなかったベースやキーボード、コーラスなどが、ここではクリアに響き、またドラムのリズムキープでバンドサウンドとしても引き締まっていた。本編ラストでは、フィルを含むメンバーほとんどがスティックを手にドラムセットを囲み、ビートを刻んだ。アンコールで披露されたのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『Pale Blue Eyes』だった。
終演後、Tシャツを買った。フィルのネームが入っただけのシンプルなデザインだが、ふだん気兼ねなく着れそうだ。フィルのTシャツは今後手に入らなくなるかも、とも思ったので。
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