わたしの手塚治虫~こころに残る名場面・名セリフ
NHK-BS2では、今年生誕80年を迎える手塚治虫を、1年に渡って特集してきた。4月からはレギュラー番組が始まり、8月には戦争に焦点を絞った特番を放送。レギュラー番組は10月で終了し、この1年の集大成的な番組が3時間特番として放送された。
視聴者からのアンケートをもとに、作品別ベスト10を集計。またスタジオには、高橋源一郎や東ちづる、石坂浩二、山田五郎らが論客として出演し、自らのベスト10を掲げていた。石坂浩二は、火の鳥の各編を上位に集中させるという偏愛ぶりを見せていた。
ランクインしたのは、当然といえば当然だが、アニメ化もされているメジャーな作品が大半だった。『3つ目がとおる』『リボンの騎士』『ジャングル大帝』など。ベスト3は、3位『鉄腕アトム』、2位『火の鳥』、そして1位は『ブラック・ジャック』だった。
そうした中、6位に『アドルフに告ぐ』が入ったのは嬉しかった。週刊文春に連載され、アドルフという名の3人のそれぞれ境遇の異なる男たちが、時代に翻弄されるさまを描いた大作であり、戦争のみならず人種問題も絡め、舞台も日本とドイツを経て終盤ではパレスチナにまで及ぶものだった。アニメ化も映画化もされていないこの作品が上位に入ったことの意味は、大きいと感じている。
ワタシ個人のベストを挙げるとすれば、3位アトム、2位アドルフ、1位ブラック・ジャックとなる。あと、実は『火の鳥』『ブッダ』は断片的に話を聞きかじってはいるものの、原作を読んではいない。前々から思ってはいたが、いつかは手に取って読みたいと思う。
11月3日は、手塚治虫の誕生日だそうだ。
関連記事
-
漫勉Neo 手塚治虫
NHKEテレで、漫画家が作画しているさまを撮影し、創作の秘密に迫る「漫勉Neo」という番組が
-
手塚治虫 創作の秘密
1986年に放送された、手塚治虫のマンガ執筆の様子に密着取材した番組が、先日放送されていた。
- PREV
- タツノコプロ
- NEXT
- ヨラテンゴ(Yo La Tengo)、2年ぶりの来日