永井豪@マンガノゲンバ
先日、BSで放送されている『マンガノゲンバ』という番組で2回に渡って永井豪が取り上げられていた。
司会をキャイーンの天野とAKB48の大島が務めていて、スタジオには永井豪本人も登場。漫画家としての経歴を振り返りながら、トークを進めていく。石川県出身の永井は少年時代に手塚治虫のマンガを読んで衝撃を受け、やがて石ノ森章太郎のアシスタントを経てデビュー。アシスタントの仕事が多忙すぎてストーリーマンガを書くのが困難と判断し、ギャグマンガでスタートしたとのこと。当時20代前半だった永井は、出て当然売れて当然という、かなりの自信家だったそうだ。
代表作になっていく『ハレンチ学園』や『キューティーハニー』『マジンガーZ』などが、次々に紹介される。同じ作品のマンガと並行してアニメ制作も進めるが、アニメはテレビというメディアで流す関係上、勧善懲悪やスポンサーとの提携といった制約がある中での制作になったようだ。マンガの方はストーリーもキャラクターもアニメとは敢えて同期を取らず、独自の展開をさせていた。その最たるが『デビルマン』である。
悪魔デーモンと戦うために、デーモンと合体して人間の心を持つデビルマンになった不動明。しかし物語が進むにつれて規模は拡大され、最終的には人類滅亡後にデビルマン軍団対デーモン軍団の戦いが繰り広げられるという、壮大な黙示録的な展開になる。アニメや映画といった特殊技法を用いることでこうした世界観を描いた作品はあったが、2次元のマンガでここまで描き切ったのはほんとうにすごいことで、世紀の傑作と言っていいだろう。
永井も精神を削られる想いで疲弊しながら描いていたとか、自分の意志ではなく何者かによって書かされているという感覚を覚えていたなど、貴重なコメントがいろいろと聞くことができた。『デビルマン』はこれで終わりではなく、その後女性を主人公にした『デビルマンレディー』というのもあり、また永井のライフワーク的作品『バイオレンス・ジャック』が、実は『デビルマン』の続編だったということが終盤になって明かされている。これは、書いている永井本人も始めた当初は気が付かず、進めているうちにそのような方向に行ってしまったということだ。
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