峰岸徹さん死去
公開日:
:
最終更新日:2024/05/22
追悼
俳優の峰岸徹さんが亡くなられた。死因は肺がんで、65歳だった。賞を受賞して動員が伸びている、現在公開中の映画『おくりびと』にも、峰岸さんは出演していた。主人公で納棺師を務める、本木雅弘の父親役だそうだ。
個人的には、何といっても『高校教師』で桜井幸子演じる女子高生の父親役が強力なインパクトとして残っている。作品は教師と女生徒との恋愛を軸にしつつ、同性愛や近親相姦といった、社会的にタブーとされていることに切り込んだ衝撃作であり、かつ究極的には純愛に至るという流れになっていた。ワタシも、タブーうんぬんというよりも単純に主人公で教師役の真田広之に感情移入して観ていたところがあった。終盤は真田広之と峰岸徹との対決から和解が大きな軸になっていて、峰岸さんなくしてこの作品の密度の濃さはありえなかった。
峰岸さんは個人としてトライアスロンにも取り組んでいたそうだが、その趣味が生きたであろう映画も、ワタシは観たことがある。『右曲がりのダンディー』で、確か原作がある作品だ。玉置浩二演じる主人公はやり手のビジネスマンにしてプレイボーイという役柄だったのだが、ビジネス上でのライバルとして峰岸さんがたちはだかり、またふたりは室内トライアスロン大会でも一騎打ちしていた。峰岸さんは、トライアスロンを通じて環境問題にも関わっていたとのことだ。
映画とテレビの両方で多数の作品に出演し、名バイプレーヤーとして活躍した。クセがありアクの強い役からコミカルな役までこなす、貴重な存在だった。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
関連記事
- PREV
- レディオヘッド(Radiohead)@国際フォーラム最終
- NEXT
- 松田優作は生きている