マーク・スチュワート(Mark Stewart)、フジロック’08に出演
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最終更新日:2023/10/14
The Pop Group フジロック
フジロック'08初日の、個人的な目玉はマイブラだ。グリーンステージのトリというブッキングに疑問は感じるが、やはり今回「観ることができる」ことそのものが貴重であり、かつ奇跡的である。そして2日目の目玉は、マイブラと同等かあるいはそれ以上に「観ることができる」のが奇跡的な、マーク・スチュワートである。
そもそも、マーク・スチュワートってどこの誰?と思われる方もいるかもしれない。70年代後半のパンクの波が落ち着いた頃、ポップ・グループというバンドがあったのをご存じだろうか。たとえ音を聴いたことがなくとも、ファーストアルバム『Y(最後の警告)』、セカンド『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder ?』のジャケットは、見かけたことがあるのではないだろうか。『Y』はパプアニューギニアの泥人形、『For How Much ~』は、幼児が裸でキスしているジャケットである。
ポップ・グループというバンド名とは裏腹に、音はぜんぜんポップじゃない。刺すようなビート、呪文のようなヴォーカル、政治性に満ちた歌詞、ファンクやレゲエを組み込んだ、後のミクスチャーのはしりのようなフレキシビリティ、と、とにかく衝撃に満ちたバンドだった。しかしその衝撃性ゆえか、バンドとしての活動は短命に終わってしまう。
マーク・スチュワートはその中心メンバーでありヴォーカリストだったのだが、ポップ・グループ解散後はソロ名義で淡々と活動を続けている。今年4月に、なんと12年ぶりとなる新作『Edit』をリリース。そして、フジロックへのエントリーも発表されたのだ。ワタシはポップ・グループの作品はひと通り持っていて聴いているが、マーク・スチュワートの作品はまるで聴いたことがなかったので、これを機に集められるだけ集めた。『Edit』にはヤードバーズのサンプリングが、また別の作品にもエリック・サティのサンプリングがあり、と、この人なかなかやってくれる。そして、『Control Room』というアルバムはデジタルを主体としたダンスミュージックで、作品毎に作風を大胆に変えてくる人であることもわかった。
さてライヴだが、現在は期待と不安が入り混じった状態だ。オーディエンスを棒立ちにさせ置き去りにするようなライヴになるかもしれないし、ダンスビートを前面に押し出して宴のようなライヴになるかもしれない。2005年にギャング・オブ・フォーがフジロックに出たことがあって、エンターテイメントと狂気とが交錯したようなパフォーマンスを見せてくれたが、そういう感じのライヴになるのでは、という予想を立てている。何にせよ、楽しみで仕方がない。
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