100年インタビュー 坂本龍一
NHKハイビジョンで、100年後の日本人にも観てもらいたいという願いをこめたインタビュー番組「100年インタビュー」が月イチで放送されている。今月は坂本龍一がゲストだった。
広いスタジオ内に、坂本龍一とNHKの女性アナウンサーとが向き合ってトークをするというだけの、地味と言えば地味な構成。これで90分の枠なのだから、観始めたときは途中退屈してしまうかなとも思ったのだが、気が付いてみればあっという間の90分だった。アナウンサーと坂本とは、完全に噛み合っていたとは言い難い部分もあったが、アナウンサーの人はそれなりに坂本の作品を観たり聴いたりし、それなりの事前準備をしていたと見え、それでなんとかトークが成り立っていた感じだった。
3歳でピアノを初め、4歳で作曲をしたそうだ。父親は文学の編集者でかなり厳しく、母は帽子のデザイナーをしていたとのこと。坂本は少年期に自分より音楽の才能がある人は周りにいくらでもいたと語り、自分はたまたまいろいろな条件が揃っていて音楽の道に進んだと言っていた。学生時代から既にアルバイトがてらに音楽活動をしていて、ギャラはほかのアルバイトよりはるかによかったとのこと。
映画『戦場のメリークリスマス』に出たときは、監督の大島渚からは俳優としてだけのオファーだったが、自分で映画音楽もさせろと条件をつけてOKしたのだとか。ただ、撮影終了後の映像を観て自分の演技があまりにもヘタだったことにショックを受け、なんとか挽回しようとして音楽を頑張って作ったそうだ。そうして、あの名曲が生まれた。『ラストエンペラー』のときも俳優としてのオファーで、音楽は撮影が全て終わった後に突如TELがかかってきて2週間でやれと言われたそうだ。
90年からニューヨークで暮らしている坂本は、あの2001年9月11日のテロも直に目撃していたそうだ。近年はエコ活動にも力を入れていて、番組の最後には100年後の人に向けたメッセージを切々と語っていた。100年後なんて想像もつかないが、坂本龍一やymoの音楽は、そのときの人たちにも聴かれていると思う。
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