市川崑監督死去
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最終更新日:2023/03/14
追悼
映画監督の市川崑さんが肺炎で亡くなられた。92歳だった。
映画監督として世に出した作品は数知れない。有名なのはドキュメンタリーの『東京オリンピック』や「ビルマの竪琴』辺りになると思われるが、個人的にはやはり金田一耕助シリーズのイメージが強烈だ。金田一作品はさまざまな監督が撮り、さまざまな俳優が金田一を演じたが、やはり市川-石坂浩二コンビが抜きん出ていると感じている。
遺作となったのはリメイク版『犬神家の一族』だが、ワタシはその試写会に当選して観に行かせてもらった。また、87年には『竹取物語』を映画化され、かぐや姫がUFOに乗って月の向こうに帰って行くというのも映像化してくれたのも、素直に嬉しく感じていた。市川作品の魅力は、ストーリーの展開のテンポのよさもさることながら、映像そのものの美しさは他に類を見ない。映画監督の中にも、市川監督の影響を受けた人は少なくない。
市川作品はまだまだ観れていないのだが、その中でも10数年以上前から気になり続けている作品がある。それは、86年公開の『鹿鳴館』という作品で、三島由紀夫原作を映画化したもので、菅原文太や沢口靖子が出演している。なぜかDVD化されておらず、テレビでも放送されることがない。何か事情があるのだろうか。
大往生といっていいだろうが、ほんとうに惜しい方を亡くしたという残念な気持ちの方が強い。謹んでご冥福をお祈りします。