東京事変、ツアー間近
夏に2枚のシングルをリリースし、先月末にはサードアルバム『娯楽(バラエティ)』をリリースした東京事変。そしてこの新譜にリンクしたツアーが、あさっての横浜を皮切りにスタートする。
ファースト『教育』からセカンド『大人』の間には、メンバー2人の交代劇があったが、今回はメンバーの変更はない。ただその代わり、中軸にいる椎名林檎が一切作曲を行わず、バンドメンバー4人が曲を書くという、これまでの東京事変ではありえなかったスタイルが、今回は取られている。
こういう前情報もあり、また2枚のシングルがポップに寄り過ぎていたこともあり、正直言ってワタシはあまり期待できなかった。のだが、いざ『娯楽(バラエティ)』を聴いてみてびっくり。音としても演奏としても、バンドとして成長を遂げているのはもちろんだが、椎名林檎が曲を書いていないにもかかわらず、その感触はソロ時代の彼女の作風を彷彿とさせるのだ。
ソロ時代の作風は良くも悪くもギリギリ感があり過ぎて、終わりに向かって突き進んでいるような悲壮感があり、受ける側の方が胸を締め付けられるような感覚があった。それが事変というバンドスタイルになったことで、いい意味で曲は軽くなり、歌謡曲に接近して行って、個人的にはこの状態を歓迎した。ワタシは、自分が好きになったアーティストには、太く短く、よりも、どんなことをしてもいいから続けて欲しいと思っているからだ。
よって、ライヴの場でソロ時代の曲を聴く機会はあっても、今後生み出される作品はどんどんソロ時代の作風から遠ざかっていくものと覚悟していた。そう思っていたところに出てきたのが『娯楽(バラエティ)』だったので、驚きもしたし、嬉しくもなったし、裏切られもした(もちろんいい意味で)。
事変のツアーは慢性的に需要過多だが、今回も会場は全てライヴハウスで、チケット争奪は熾烈を極めた。ワタシは、幸運にもあさって行われる横浜公演、及びZepp Tokyo公演のチケットが取れたので、会場でメンバーに会えるのをとても楽しみにしている。
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以前、坂本龍一やスピッツ、あるいはスーパーカーのライヴのチケットが取れなかったことを書いた。
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