ルチアーノ・パヴァロッティさん死去
世界3大テノールのひとりである、ルチアーノ・パヴァロッティさんが6日に亡くなった。死因はすい臓がんで、71歳だった。巨漢でヒゲをたくわえ、見た目は非常にわかりやすく存在感のある人だった。サッカーW杯やトリノ五輪などで公演を行う姿は、よくテレビで見かけていた。
しかしはっきり言ってしまえば、ワタシはこの人の業績のことをほとんど知らない。増してやCDも持っておらず、聴いたこともない。ではなぜこの人のことを知っていたのかというと、それはあるプロジェクトにパヴァロッティさんが参加していたからだ。そのプロジェクトとは、u2がブライアン・イーノとコラボレートし、「パッセンジャーズ」名義でリリースしたアルバム『Original Soundtracks 1』だ。リリースは95年で、当時U2の音楽性はサイバー路線に寄っていた。この作品もその系統の中にあり、アンビエント色が濃い。そしてここからシングルカットされた『Miss Sarajevo』に、パヴァロッティさんがヴォーカル参加している。
歌詞は、ボスニア紛争のさなかサラエヴォで行われるミスコンテストという設定になっていて、おおむねボノが囁くように歌うソフトな曲調である。がしかし、サビに差し掛かったときにパヴァロッティさんの太くて力強い歌声が響き渡り、聴いていてはっとさせられる。もともとボスニア紛争の犠牲者を支援するための生まれた曲であり、そのテーマのもと、ロックとオペラとの融合を成しえた両雄の輝きが際立っている曲だ。去年のU2の日本公演でもこの曲は演奏されていて、ボノがパヴァロッティさんのパートも歌い上げていたのが思い出される。
謹んで、ご冥福をお祈りします。
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