石ノ森章太郎原作のアニメ『スカルマン』
この春から、フジテレビで土曜深夜に『スカルマン』というアニメが放送されている。原作は石ノ森章太郎で、『仮面ライダー』を始めとする仮面ヒーローものの原点的位置づけにある作品とのこと。
トップ屋の御子神隼人は、骸骨男の犯行と噂される連続殺人事件の取材のため、故郷の大伴市に帰ってきた。大伴市は、大伴コンツェルンが実質的に支配。御子神はカメラマン志望の少女と行動を共にすることになり、また行く先々で自称探偵の中年男と遭遇。そして、骸骨男を捕まえようとする警察も当然動き出す。そんな中で、またも骸骨男が出没した。
時期的には、戦後の混乱から復興し高度成長期に差し掛かる頃と思われ、現実世界とは異なり軍隊が存続している。夜間は外出禁止令が敷かれ、新聞の文字は右から左になっていて、などなど、レトロなはずなのだが、なぜか新鮮に映る。物語は御子神の視点から描かれ、とにかく謎だらけ。話が進むに連れて少しずつ状況は明らかにはなるが、骸骨男が誰なのかは、序盤の放送でも謎のままだ。そのミステリアスなところも、この作品の魅力のひとつである。
原作マンガは100ページの読み切りだったそうで、つまりは数ある石ノ森の作品の中でも、代表作や傑作というわけではなく、かなりレアでマニアックな部類に入る作品と思われる。その原作を大きく膨らませ、美意識を付加させることに成功している技術には目を見張るものがある。
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