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究極のカルトロック特集

The Velvet Underground『MCMXCIII』

出演を受けて、これまでエアチェックしてきた音楽番組の中からキュアー関連の映像を探していた。すると、「究極のカルトロック特集」と題された番組が出てきたので、面白くなって観てみた。

この番組は、94年2月にNHK-BS2で放送されたと思う。カルトロックというキーワードを用いて、計5組のアーティストのライヴパフォーマンスを収録。ナビゲーターがなぜか天本英世で、各組の映像に入る前に必ず現れ、工場のようなところを徘徊しながらカルトロックうんぬん~といった語りを入れている。

さてその5組だが、冒頭がキュアー、以下スクイーズ、デペッシュ・モード、ニック・ケイヴ&バッド・シーズ、そして93年に期間限定で再結成されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドとなっている。年代的には、いずれも90年代前半のライヴだ。キュアーはロバート・スミスがトレードマークのぼさぼさのヘアスタイルでギターをかき鳴らしながら歌っていて、確かにカルトな側面も持ち合わせているとは思うが、音はかなりポップだった。スクイーズは、現在英国BBCの人気番組のホストでもあるジュールズ・ホランドがピアノを弾く姿もあり、3人のギタリストが交互にヴォーカルを担当するという、かなりユニークなスタイルだった。

個人的にこの番組の中でベストパフォーマンスだったのが、デペッシュ・モードだ。ステージの後方が一段高い壇になっていて、ヴォーカル以外のメンバーは壇の上で演奏。そしてバックが5分割されたスクリーンになっていて、そこにはメンバーのシルエットが映り、視覚的にもかなり訴えるものがあった。デジタル音を駆使しながらも肉体性溢れるパフォーマンスで、も、デペッシュがいなければ存在していないのではと思わせた。

ニック・ケイヴは、スーツをびしっと着こなし一見インテリジェンスを漂わせてはいたが、その中には狂気を垣間見ることができた。フジロック'98で楽屋で暴れたという話は、まんざらでもないようだ。そしていよいよだが、とジョン・ケイルの両雄が並び立つ姿はやはり壮観で、ケイル在籍時代の曲はアルバムそのままに、ケイル脱退後の曲にはまた別の緊張感が漂っていた。このライヴはDVD化されていて、この放送はダイジェスト版なので、いつかはDVDを観なくてはと思わされた。

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