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とことん!あしたのジョー

公開日: : 最終更新日:2023/03/12 あしたのジョー

あしたのジョー COMPLETE DVD-BOX

NHK-BS2では、不定期にBSマンガ夜話/アニメ夜話という番組を放送している。評価の定まった名作や一部の熱狂的な支持を受けている作品などを取り上げ、その魅力について徹底討論するというものだ。通常は1時間の枠でひとつの作品を取り上げるのだが、昨夜までは5夜連続で『あしたのジョー』を取り上げていた。『ジョー』については、BSアニメ夜話では既に一度取り上げられ検証されているのだが、それが今回20時間以上に渡って放送されるのだから、破格の扱いと言えよう。

番組は、テレビ版の監督を務めた出崎統が、全79話の中からポイントとなる37話をセレクトし、5日連続で放送。さらには劇場版『あしたのジョー2』を最後に持ってきて、ジョーのストーリーをフォローする。そして合間には特集が組まれ、映画監督の塚本晋也が当時の制作者を訪れたり、原作を書いたちばてつやと出崎統が対談したりしている。作画面での手法や当時の制作側の状況などの検証はこの番組ではお手の物で、今回もかゆいところに手が届く徹底ぶりを見せている。個性的なキャラクターについて熱く語る、芸能人の表情にも生き生きとしたものがある。

当事者による貴重な証言が、いくつも飛び出した。主題歌を歌う尾藤イサオは、興奮のあまり譜面が見えなくなってとっさに「るるるる~」と歌い、この方がいいという判断がされて採用されたこと。ジョーの声を演じたあおい輝彦は、ジョーへの思いいれが強すぎるあまり、ほかの作品の声優を一切引き受けなかったこと。今や語り草になっている、実際に行われた力石徹の葬式を、ちばてつやは当初欠席しようとしていたこと。結局出席するのだが、そこまで大きな社会現象になっているという自覚がなく、講談社に向かう車中で現実を目にしたそうだ。

昨夜は生放送で、多数のメールやFAXが視聴者から送られた。親子で観ているという人が多かったそうだ。かつて大学でボクシング部の監督をしていたという70代の男性は、入部してくる学生の7割が『ジョー』の影響を受けていたと書いていた。この人は、丹下段平の声をしていた故藤岡重慶さんと同窓生だったそうだ。そうした数多くのFAXの中、ちばてつや本人からもFAXが送られてきた。

『あしたのジョー』については個人的にもいろいろ思うところがあり、いつかどこかで熱く語り倒したいと思っている(笑)。

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