仮面ライダー@とことん!石ノ森章太郎
BSで、7夜に渡って漫画家石ノ森章太郎の特集が放送された。その第1回が『仮面ライダー』特集だ。
冒頭では石ノ森の作品をおおまかに紹介し、そしてこの人の代表作のひとつであり、またテレビ特撮ヒーローものの金字塔でもある、仮面ライダーにシフト。仮面ライダーはシリーズ化されていて現在も放送中だが、この第1回では本郷猛が変身する初代に焦点を当てている。第1話、第4話、第84話が放送され、ゲストがそれぞれに想いを語り、そして制作のウラ話などが明かされる。そして、本郷猛を演じた藤岡弘その人も、ゲストとして姿を見せた。
第1話は仮面ライダーの誕生を、第4話は植物から派生したグロテスクな怪人を、第84話は石ノ森自らが監督した話として、それぞれ紹介された。第1話を観たのはいつ以来か思い出せないのだが、改造人間になってしまった本郷猛が水道の蛇口を壊してしまう場面は、はっきりと覚えていた。また、今回観たことで初めて気づいたことがあって、それは島田陽子が出演していたり、藤岡弘がオープニングの主題歌を歌っていたりしたことだった。
仮面ライダーのデザインが如何にして出来上がったか、というエピソ-ドは面白かった。最初石ノ森はカッコいいヒーローとして描いたが、ピンと来ないと自ら取り下げ、次に挙げたのがドクロをモチーフにしたデザイン。しかし、これは子供向けの番組としては相応しくないとされ(このアイディアは、後に『スカルマン』として生かされた)、昆虫の図鑑をヒントにバッタをベースにしたデザインが出来上がった。他にもいくつか案を出し、当時5歳の長男に選ばせて現在のデザインに落ち着いたという。
藤岡弘はアクションも全て自分でこなしていたが、撮影中にバイクで転倒してケガを負ってしまったそうだ。そこで出たアイディアが、ストーリー上は本郷猛がヨーロッパに行ったことになり、一文字隼人が仮面ライダー2号として登場する、というものだった。その後藤岡の回復に伴い本郷猛が復帰し、苦肉の策だったはずの2号登場が、仮面ライダーのシリーズ化の流れを作ったことにもなったようだ。
仮面ライダーは社会現象になったが、当然ワタシもその影響下にあった。幼稚園のときに使っていた弁当箱が仮面ライダーのデザインだったことや、V3の絵本を読んでいたことが、まざまざと記憶の彼方からよみがえってきた。番組のラストでは藤岡弘が変身ポーズを取ってくれたのだが、照れることもなく気合いを入れてビシッと決めた藤岡の姿に、観ていて鳥肌が立った。
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