ポール・ウェラー(Paul Weller)、2001年以来5年ぶりの単独来日
シガー・ロスのチケットが一般発売されたとき、即完売したことにこれほどまで人気があったのかと驚かされ、またチケットが取れなかったことでひどく落ち込んだ。のだが、その後ポール・ウェラーの来日が発表になると、なんだかほっとしてしまった。ストーンズ、ウェラー、u2が3週連続で来日し、しかもいずれもウイークデー(U2の後は1週おいてkornもある)。チケットが取れなかったのは、シガー・ロスは今回はスルーせよというお告げだったのだろう。
で、ポール・ウェラーだ。来日自体は2004年のロック・オデッセイ以来約2年ぶりとなるが、単独公演となると2001年以来5年ぶり。その2001年のときはソロ・アコースティックツアーだったので、通常のバンドスタイルでのライヴとなると、2000年以来実に6年ぶりということになる。
ロック・オデッセイではその一端を垣間見ることができたが、現在のウェラーはついに封印を解き、ジャムやスタイル・カウンシルの曲も嬉々として演奏している。これはこれまで安易に過去の名曲に頼らず、ソロとしてのキャリアをきちんと打ち立てられた上での解禁であって、ライヴではソロの曲とバンド時代の曲とが相乗効果をもたらし、非常に精度が高く密度の濃い内容に仕上がっているのだ。
昨年リリースされた新譜は、タイトルが『As Is Now』。なんと自信に満ちた、肯定的で断定的なタイトルだろう。そしてその内容だが、バンド時代のテイストがふんだんに取り込まれていて、だけどそれは決して懐古趣味的ではなく、まさに今現在のこの人のあるがままを表現した結果なのだ。また来週には、ダメ押しのように『Come On/Let's Go』という日本限定盤がリリースされる予定だ。
バンドメンバーは、できるならロック・オデッセイのときと同じであってほしい。ドラムのスティーヴ・ホワイトは、最早終身雇用制のようにスタカン時代からウェラーのバックを守っている。ギターのスティーヴ・クラドックとベースのデーモン・ミンチェラは、共にオーシャン・カラー・シーンのメンバー(デーモンは現在は脱退)。3人のウェラーに対する忠誠ぶりは、ウェラー本人のプレイを一層引き立てているのだ。
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